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MISとは何をするものか?

「MIS」とは一般には1970年代によく使われた言葉で「Management Information System」の略称であり、日本語では「経営情報システム」と訳された。経営判断に必要な情報を適切に提供するコンピュータシステムを目指したが、当時のコンピュータ技術の未熟さもあり成功せず、MISという言葉もなかば死語となっていた。

印刷業界で「MIS」という言葉が再び使われるようになったのは、JDFの仕様書での使用がきっかけであろう。そこでは、作業指示書のJDFを発行したり、生産設備から進捗状況をJMFにより受け取ってワークフロー全体をコントロールするシステムが「MIS」と表現されている。

しかしながら、JDFインタフェース以外にMISが持つべき機能について具体的に定義されているわけではない。見積り、受注管理、工程管理、販売管理、原価管理、在庫管理など従来の管理システムが備えている機能は数多くあるが、これらのどの機能を備えたものをMISと呼ぶかは不明確である。言い換えれば「MIS」という言葉を使う人に、その定義はゆだねられている。

なお、JDFの仕様書のなかには、「(ある製品仕様の印刷物を作成するには)多くの工程手順の可能性があるかもしれない。ローカルな制約条件を満たすために適切な解決策を定義することはMISの役目である」と書かれている。ローカルな制約条件とは、設備の処理能力、負荷状況、あるいはプリプレス工場と印刷工場の距離などである。実は「全体最適」をするのはJDFではなくMISだとJDFの仕様書に書いてある。

このようにMISが重要な役割を担うことは間違いないが、具体的な仕様、運用モデルはある意味ユーザに任されていると言える。「情報共有」「見える化」「履歴のナレッジ化」といった今日的なキーワードを取り込みながら、自社ならではMIS像を思い描くことが重要ではないだろうか。

◇PAGE2007コンファレンス、MIS/JDFトラックでは以下の6セッションを用意している。各社なりのMISを定義するヒントにしていただきたい。
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□ E1「MISのJDF対応の道筋
2007年2月8日(木)10:00-12:00
・モデレータ:(社)日本印刷技術協会 研究調査部 花房 賢
・スピーカー:(株)アート・スキャナ・サービス 取締役専務 上條健一/(株)帆風 技術センター 日隈俊治

□ E2「受発注におけるJDF利用の可能性
2007年2月8日(木) 13:00-15:00
・モデレータ:(社)日本印刷技術協会 研究調査部 花房 賢
・スピーカー:(社)日本印刷技術協会 客員研究員 岸 和孝

□ E3「JDFの規格動向と実装
2007年2月8日(木) 16:00-18:00
・モデレータ:(株)プリンテクノ 代表取締役 木村哲雄 木村氏が語るセッション概要へ
・スピーカー:ハイデルベルグ・ジャパン(株)プリネクト本部JDFインテグレーション部 本田雄也/富士フイルム(株)グラフィックシステム事業部 山下宏明/デュプロ精工(株)テクニカルマネージャ 宮野 剛

□ E4「WebToPrint/デジタル印刷とCIM
2007年2月9日(金) 10:00-12:00
・モデレータ:(株)プリンテクノ 代表取締役 木村哲雄 木村氏が語るセッション概要へ
・スピーカー:(有)ゲイン 代表取締役 杉山伸一/イー・エフ・アイ(株)マーケティング/テクニカルサポートシニアマネージャー 田中和宏/ベイツボ(株)代表取締役社長 清水 透

□ E5「JDF利用に向かうユーザ
2007年2月9日(金) 13:00-15:00
・モデレータ:(社)日本印刷技術協会 研究調査部 参事 相馬謙一
・スピーカー:東和印刷(株)品質管理部 次長 高本禎郎/(株)真興社 代表取締役 福田真太郎/(株)日進堂印刷所 代表取締役社長 佐久間信幸

□ E6「印刷FAの行方
2007年2月9日(金) 16:00-18:00
・モデレータ:(社)日本印刷技術協会 研究調査部 参事 相馬謙一
・スピーカー:大日本スクリーン製造(株)メディアテクノロジーカンパニー商品企画部担当課長 原口恒則/ミューラー・マルティニジャパン(株)代表取締役専務 宮崎靖好/三菱重工業(株)紙・印刷機械事業部印刷機械技術部次長 藤本信一

2007/01/19 00:00:00


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