本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

製造業の工作機械は1人のオペレータが複数台を操作する

印刷CIMを実現しようとしても生産機器の自動化が進んでいないと、いくらMISからの指示をがあっても、人間が機械の目盛りを合わせ経験に頼って微調整を繰り返することになり、コンピュータ制御技術を用いて工場が自動化されたとは言えない。また、生産機器の自動化やクローズドループ化のレベルが低いと、機器の台数分だけMISや支援サーバーと情報のやり取りが必要になる(図上)。
現在、一般的な製造業の先進的な工作機械は、オペレータ1人が複数台を操作している。一方で印刷・製本機器は未だ人手に頼る部分が多く、機械1台を複数人数で操作することが普通である。

現在、オフセット印刷機の自動化は近年、相当に進んできている。
省力化装置としては、洗浄装置(インキ・ブランケット・圧胴)、自動刷版交換装置、ワンプ開梱紙積み機、リールシーター、さらにマテハンではAGV+自動倉庫などがある。 また、プリセット装置としては、紙サイズプリセット(給・排紙)、印圧(紙厚)プリセット、インキキープリセットなどがある。
そして、計測・検査装置として、欠陥管理装置(インラインカメラ)、色調管理装置(カラーバー式,絵柄式)などがある。
今後は、MISからのデータにもとづいて行なうプリセットについて、過去の実績をデータベース化することによって、さらに高度なプリセットが出来るようになる。 そして次なる技術的方向性としては、絶対値制御、安定化(一旦決めた色で同じものが複製)、一定濃度化に向かうことになる。

製版工程はDTP+CTPのデジタル化化の進展で作業のが大幅に短縮されてきた。現在の自動化への取り組みは、入稿データチェック(Preflight)、台割り作成、プルーフ、検版、版出力をジョブチケットやホットホルダーを用いて自動化することである。ジョブチケットのテンプレートを仕事に合わせて組み合わせて選択して、自動処理を実現していく。 また、面付け指示をはMISで行う方向で進んできた。さらに、自動組版や自動画像最適化などの技術によって、処理そのものの自動化が促進される。
たとえばある中古車雑誌の制作では、自動組版技術で1日最高で約3000ページの処理が、入稿デジカメ画像の自動最適化変換(CGDC)により15,000点のデジカメ画像の最適化が、そして面付けと校正出力の自動化が行われている。

印刷CIM化に向かうためには、JDFによる管理システムと機械間のオープンな情報のやり取りができることに加えて、さらに生産機械の自動運転やライン化したときの中間検査装置など、新しいメカトロニクスとの両立が求められる。
また、生産システムの自動化やクローズドループ化すすむことによって、MISや支援サーバーとやり取りしなければならない情報も減り、よりシンプルな管理ができるよう方向があるだろう(図下)。

PAGE2007コンファレンス・MIS/JDFトラック【 E-6  印刷FAの行方:2月9日(金)16:00-18:00】では、CIM化の要素となる生産システムや機器のFA化に焦点を当てて今後の方向性を探ります。

PAGE2007展示会 MIS/JDF ZONE
展示会場では「JDF」ロゴで示したMIS/JDF Zoneは、印刷CIMに向かうためのさまざま製品がご覧いただけます。

PAGE2007コンファレンス・MIS/JDFトラック(E-1、E-2、E-3):2月8日(木)
「MISのJDF対応の道筋」、「受発注におけるJDF利用の可能性」、「JDFの規格動向と実装」の3テーマで印刷CIM化に迫ります。

PAGE2007コンファレンス・MIS/JDFトラック(E-4、E-5、E-6):2月9日(金)
「WebToPrint/デジタル印刷とCIM」、「JDF利用に向かうユーザ」、「印刷FAの行方」の3テーマで印刷CIM化に迫ります。

【関連ページ】 MIS関連情報のページ

2007/01/31 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会