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情報メディア市場の全体像を把握し、今後の行方を展望する

2007年版情報メディア白書によれば、情報メディアの構造変化は、そのテクノロジー面での急速な革新だけではなく、消費者からみた情報のコモディティ化(日常化)に対して、いかに希少性の高まった消費者の時間を、自社の情報に振り向けるか、といったことに対するマーケティングを考慮しなければならない。また、2007年は人口減少、世代交代の大きな社会の流れも始まっている。
このような中で、以下のような現状2006年における情報メディア市場の動きを見ることで、情報メディアの今後の行方を、PM研究会の中で、どう見ていけば良いのかを議論してみたい。

■急速にブロードバンド化が進むインターネット
 一旦頭打ちになってきているDSL(契約数1450万件)に代わり、光ファイバーは順調に伸びている(2007年契約数は1000万件超を見込む)。FTTHへの移行が進んでいるのである。ブロードバンドによって、データ通信、ネット電話、映像配信、といったトリプルプレイサービスによる、新たな収益が見込まれるようになって来た。
 また、「Web2.0」の台頭も見られる。ブログ、SNS、ウィキ、など従来の広告やネット販売ではなく、消費者のコミュニケーション、コミュニティーから新たなマーケティング戦略への展開も始まりつつある。

■ネットをビジネスモデルに取り込む新聞
新聞市場は、総売上2兆4千億で微増である。本業の販売と広告収入は減少しているものの、その他の収入(出版、受託印刷、等)がカバーしている。また、明確に20-30代をターゲットに絞った新聞の発行も現れてきている。

■電子書籍の伸長著しい出版
 書籍は堅調さが見て取れる。その中でも、ブログ、チャットが有力なコンテンツとなるなど、ネット発のコンテンツ制作も増加してきている。さらに、コミックスを中心に電子書籍の伸長が著しい。特に第3世代携帯電話でのダウンロードのバンド幅の拡張が電子書籍を加速している。

■発行部数3億に迫るフリーペーパー
前年比133%で伸びるフリーペーパーに対して、フリーマガジンも166%の伸びを示している。広告コンテンツとしては、グルメ、ショッピング、美容が主体であり、情報収集と消費者行動が連動しやすいメディアとなっている。

■構造転換期にある音楽メディア市場
音楽関連市場は、ここ数年続いた減少傾向に歯止めが掛かりつつある。従来の音楽CD、カラオケ市場は減少傾向であるが、携帯電話向け配信、パソコン向けダウンロードは、着実に増加傾向にある。そのような中、音楽流通関連企業の再編が加速しつつある。TSUTAYAを中心とした業務提携、タワーレコードの合併の動きなど、店頭販売からネット配信への動きが活発化してきている。

 来る2007年2月27日(火)に、JAGATでは各種情報メディア(この他にも、広告、映画、テレビ、ラジオ、ゲーム、など)に関する最新動向を把握する、拡大ミーティングを、「情報メディア白書2007」の著者の一人である、電通総研 ソリューションラボ・コンサルタントの井上忠靖氏を招き開催する。さらに、2007年問題で注目される就業人口減少が与える情報メディアへのインパクトについても、独自の考察を紹介する。是非、皆様のご参加をお待ちしております。申込は、この用紙からJAGATにFAXして下さい。 問合せ先:JAGAT研究調査部PM研究会事務局(03-3384-3411)

2007/02/15 00:00:00


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