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Windows VistaでWebはどうなる?

「Windows Vista」に深く関わる新技術、WPFなどによってWebサイト構築、アプリケーション表現術が大きく変わる。

画面のPostScript?

Microsoftが5年ぶりにOSの大改訂を行った。約225万のダウンロードを記録したβ版でじっくり検証、満を持しての「Vista」登場といえる。
数々のものすごい仕組みを持っている。例えばWPF(Windows Presentation Framework)によって、インターネットにつながっているのに、ブラウザのない世界が作れる。つまり、Webからリンクしてアプリケーション起動という形もとれる。従来のブラウザの「枠」の中でメニューやFlash等が動いていたものから、アプリケーションだけを動かすことが可能になった。シームレスな環境下で利用者は、よりアプリケーションに集中できる。

電子書籍風の表示も可能

Webドキュメントも大きく変わる。WPFのアプリケーションによって、段組数や文字のサイズもウィンドウサイズに合わせて見やすいように自在に変化する。 XAMLというXMLのアプリケーション体系は、非常に膨大な機能を持っている。HTMLの機能も包含しつつ、新しいテクノロジーを取り入れた。Flash的なスクリプトもXAMLで動くものとして記述できる。動画だけでなく、ドキュメント用の構造も持っている。スクロールでなくページをめくる感覚で読み続ける電子書籍風の表示も可能である。
画面上を見やすくしただけでなく、WPFの印刷機能では、指定した紙サイズで一番きれいなレイアウトにして印刷する。

脱ブラウザ

ネットユーザーの拡大に商用ブラウザが果たした役割は大きい。だが今回のVistaやOfficeの特徴は、「インターネットにつながるのに、アプリケーションを作ればWeb APIがあってやりとりするだけ」という考え方が根底にある。またデータ構造がXMLになり、今まではできなかったアプリケーションからOfficeドキュメントを生成できる。逆に、アプリケーションがOfficeのXMLドキュメントを読むという世界が作れ、自由度が広がった。財務諸表のXMLボキャブラリ、XBRLなどもExcelのXMLに変換しやすくなった。
終息のないWebの世界。だが「もっと良い世界」づくりに向けて、ユーザーもWeb制作者も常に変化が求められる。「これでいい」と思っていると、変われない。

Windows Vistaと新技術について、マイクロソフト株式会社のキーマン、竹内洋平氏に、デモンストレーションを交え、イースト株式会社代表取締役社長の下川和男氏に、下記のセミナーで次代のWebアプリケーションを熱く語っていただきます。

関連セミナー「Vista時代のアプリケーション表現術」2月27日開催

参照記事「ブラウザを超えて進むインターネット」(2006年12月17日掲載)

2007/02/16 00:00:00


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