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知識を身に着けやりがいある仕事に生かす

◆阿江 千恵

私が勤めている「光陽メディア」は印刷から製本まで一貫で行っている印刷会社です。私はDTPを1年経験し、スキャナに3年携わり、またDTPに戻って4年になります。
Appleが創業した年、私は生まれました。 1歳になった年にAppleUが発表され、小学校へ入った翌年にMacintoshが発表されました。Windowsは1.0のころです。就職した年、iMacが発売され爆発的に売れました。急にMacが市民権を得たような年でした。スキャナを経てDTPの職場に戻ったころMacOS X、Windows2000、Windows XPが世に出まわり始めていました。

Macintoshができて、ほんの20年あまりで、プリプレスは、ほぼ完全にデジタル化されました。そんな技術の革新が早い印刷業界・パソコン業界で何が起こっているのか、アンテナを張っていることしかできない自分を歯がゆく思いました。新しい技術の導入・検証は、使う側の仕事です。しかし、導入の検討と検証、そして日常業務を両立することは並大抵のことではないと思います。
「DTPエキスパート認証試験」を知った時、この資格が仕事をしていく上で一つの道標になるのではとチャレンジすることにしました。印刷技術協会が作成したカリキュラムはこれまでの印刷技術からこれからの技術まで明確に示してあったからです。しかし最初の受験までの道のりは決して平坦とは言えませんでした。今でこそ、会社にDTPエキスパートについての方針が盛り込まれ、支援がありますが、私が始めたころは全くそういうものもなく、身近にエキスパートもいない状況での自腹受験。そんな状況で申し込んだ模試が身内の不幸で出席できなかったり(2万円もするのに!)。突然の大きな受注に恵まれ(大変ありがたいことです)、試験と重なり深夜残業・休日出勤の中での受験だったり……。古い問題集は手に入りにくく、過去問題を集めるため古本屋に何度も通いました。
当時はCTPが導入され、軌道に乗るか乗らないかのころで、プリプレスとCTPの残業が想像を絶するくらいにありました。自分が大変なのは自分の意志でやっていることなので仕方ないにしろ、ご自分も「ぼろぼろ」なのに、私の試験のために、相談や力になってくださった方々に心から感謝しています(嫌がられても、まとわり付いていた節もあります)。そんな状況で受けた試験は、1カテゴリーで2点足らずの悔しい敗北となりました。

2度目のチャレンジ、26期DTPエキスパート試験では合格することができました。できることはやり切りました。模試3回、試験2回でトータル費用が10万円になっていましたので、いよいよ後がない状況でした。万全を期したとは言え、合格当日まで不安が払しょくされることはありませんでした。
最近当社にもようやく「DTPエキスパート試験」をサポートする体制が整い、毎週1時間ですが就業時間内に勉強会が開かれるようになりました。勉強会参加希望者は30人を超えています(実際は仕事の許す限りの参加ですので5〜6名の参加です)。昼休みに試験の問題について質問しあったり、勉強している姿が見られるようになりました。有志で休日に勉強会をしようという話も出ています。今までは、プレゼンテーションの場や、勉強会の場で、この内容はこの中の何名が理解できているのだろうと疑問に思っていましたが「DTPエキスパート」の資格取得を会社全体でサポートするようになって、難しい話や新しい内容の話であっても、みんなが理解できているという実感がもてるようになりました。どんな問題でも同じレベルで話せる仲間が増えた喜びを感じています。

「DTPエキスパート」は、私にとっては大変な道のりでしたが、遅いながらも、当社が「DTPエキスパート」へのスタートラインに立てたことを大変うれしく思います。印刷業は残業も多く大変です。しかし、自分が携わった絵本などが「書店に行けばいつも並んでいる」ということは何事にも代え難い喜びです。

 

月刊プリンターズサークル連載 「DTPエキスパート仕事の現場」2007年4月号


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2007/04/18 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会