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第3期クロスメディアエキスパート認証試験報告

受験者は前回比で約20%増
クロスメディアエキスパート認証制度は、メディア制作に携わるディレクター、プロデューサー等が、業務上必要とされる専門知識や企画提案力を問う資格試験である。第1期試験は2006年3月26日に開催した。

第3期認証試験は、3月18日、青山学院大学(東京)ほか全国4会場で同時に実施された。受験者は前回比で約20%増、137名が実際に試験に挑んだ。受験者属性では、業種別で第2期に比べて印刷業の割合が約70%、次いでWebデザイン・制作が約10%、コンピュータベンダー系、デザイン系と続いた。

カリキュラムの理解
学科試験は、メディア概論、IT概論、経営概論、クロスメディア、ネットワークとデータベース、デジタルコンテンツの6分野の知識を問う問題がマークシート形式で出題された。専門用語の理解、メディア動向だけでなく、あえて長文問題を織り交ぜて、知識とともに判断力を問う。なぜならばこの認証試験では、受験行為自体が以降の業務に活かせる内容を目指しているからだ。

設問数は前回と同じだが、制限時間(2時間)で解答するにはかなりの分量である。だが、「クロスメディアエキスパート情報マガジン2007」等の案内誌などカリキュラムの理解が進んできたようだ。上記カテゴリ別にみると、特にネットワークとデータベース関連の問題正解率が上がり、分野間の得点格差は前期より狭まってきた。とはいえ、業務に即したコンテンツ制作系に比べて、経営概論等の設問は若干弱いようだ。

こなれてきた与件=情報整理
論述試験は、顧客の抱える問題分析から、改善点、提案の方向性やメリット等、提案書に至るまでのプロセスも採点の材料となる。
論述試験の中で重点を置く提案書は、提案書から逸脱した様式の解答は減少した。また、与件=情報整理もこなれてきて、提案書に至る前段の問いへの解答は向上してきた。

提案書作成へのプロセスが認知されてきた中で、クライアントの要望に沿った提案かどうか、競合他社との差別化、費用対効果が期待できる根拠が乏しい、あるいは通り一遍的な提案書では得点を伸ばすのは難しい。

次期試験は8月12日開催予定
第4期クロスメディアエキスパート認証試験は、第28期DTPエキスパート認証試験と同じく、2007年8月12日に実施する計画だ。なお、受験申請期間は2007年6月12日から7月12日を予定している。

※学科・論述ともにカテゴリ別・設問別で合否は決定せず。あくまで総合点での判断である。

関連サイト:クロスメディアエキスパート認証制度

2007/05/17 00:00:00


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