オフセット印刷機とインクジェット機構を組み合わせたハイブリッド印刷は、オフセットの品質および経済性と、無版方式であるデジタル印刷の柔軟性という双方のメリットを享受することができる。
テキスト&グラフィックス研究会では、封筒チラシ一体型ダイレクトメールへとパーソナル印字を活用した取り組みについて、ウイル・コーポレーションの平戸理英氏にお話を伺った。
■情報印刷とダイレクトマーケティング
ウイル・コーポレーションは、1994年に通販事業に参入した。なぜ、印刷会社が通販事業をやっているかというと、自らダイレクトマーケティングに取り組むことで、ノウハウを蓄積することができる。企画やテストマーケティングによる効果測定を実施し、それをクライアントに勧めていこうということが狙いであった。コールセンターも設立し、顧客の生の声を聞くことも実施している。
従来は輪転機で印刷した後に、折り、糊付け、製本という後加工を行っていた。工程ごとにアウトソーシングしている工場に送るなど、コストや納期面の負担が大きかった。そのため、輪転機と加工機を直結するフィニッシングシステムを導入し、その間の物流・アウトソーシングコストの削減と納期を短縮することができた。
輪転機に加工機を直結するインラインのフィニッシングシステムと、輪転機で印刷し巻き取って加工機に入れ、一気に加工するオフラインのフィニッシングシステムの2タイプを導入している。
■紙媒体とダイレクトマーケティング
昨今、紙のDMはWebに押されていると言われている。確かにWebは低コストで、費用対効果も高い。しかし、健康食品やシャンプー・リンスなどの消耗品はリピート商品であり、1回の販促費用で元を取ろうとは考えていない。ネットとカタログを比較すると、客単価やリピート性の違いがあり、まだ紙媒体に優位性がある。
Webの場合、欲しい物が明確で検索してショップに到達することが多い。紙媒体は保存性や一覧性が良いという側面があり、五感に訴えることで1点買おうと思っていたものを2点買いするなど、客単価が高くなる。
■高レスポンスのセールスプロモーション
1家庭当たりの折込みチラシは、月600枚を超えている。その中で、まずは顧客の手に取ってもらえるものとして、B4の圧着チラシを作った。これは、二重になっているため、顧客が違和感をもって手に取る。開いて見ることで、中面の情報が記憶に残る。これをインラインで作っている。
通販の場合、返信はがきを付けている。薄い紙を二重にし、片観音で開く。情報量があり、開くという行為によるレスポンスアップも見込めるため、多くの企業に採用されている。これもインライン・フィニッシングで一気に完成形とすることができる。
■レスポン君
レスポン君という商品を開発した。ハサミが不要で、広げると大きなチラシとなるDMである。ホットメルトの糊が付いており、開くと大きな紙面が広がる。A2とB2の間くらいの大きさで、大胆なクリエイティブも可能である。
これはレスポン君製造機という加工機が別にあり、印刷機で刷ったものを巻き取って、DMセンターに持って行き、DMの形に仕上げる。この機械にはインクジェットのヘッドを2機付け、10cm幅を2カ所にパーソナル印字することができる。自動封入の装置も付いており、アタッチメントを自動で封入する。さらに、折り畳み、糊付けなど、封入と加工とパーソナル印字を一気にやってしまうというのが、レスポン君製造機である。
(この続きはJagat Info 2007年5月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報誌 Text & Graphics No.254に掲載しています)
2007/05/20 00:00:00