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管理不在のDTPに将来はあるか?

DTPをやっている人はよく働く。先日も印刷会社に出稿直前となって、外部のDTPをできる人にヘルプを求めたが、よく心得たもので夜の8時頃にやってきて、おもむろに流し込みを始めた。最初から終電車などは無視しておられる。編集やってる立場では、その日の午後から集中的にレイアウトに入りたかったので依頼したのだが、佳境に入るのがどの時間帯であるのかご存知であった。

編集や制作作業のジレンマというものがある。本当はキチンと予定を立てて、その通りに進めて、夕方には自宅に帰って家族で食事でもできるような生活をすべきなのだが、予定を立てても、なんだかんだで遅れるのがミエミエなのである。そして結局は長時間労働になるが、その実態は待ち時間がある人もかなりいる。冒頭の外部のDTPの人も、いわれた通り午後に来ても、待ち時間が生じるのを察知し、文字校了が溜まる頃に来たのである。

どうも道具がDTPになろうが、制作の現場は大きくは変わっていない。DTPの方が従来のアナログより雰囲気がいいから我慢できている面もあるが、本質的な改善をいつまでも棚上げにするわけにはいかない。世の中では仕事のフローを、コンピュータ化で大胆に変身させているのが、ITの流れであるのに、印刷関係でDTPを使っているだけでは、とうていこの流れに入っていけない。

つまり、現状の現場の仕事に必要なソフトやハードを探すだけでなく、今の仕事のフローにおける連携作業がうまくいかないという問題点をコンピュータとネットワークで解決することを考えなければならない時期にさしかかっている。従来のこの業界は、皆ががんばればよい、というのが最大の原則で、冒頭のように時間をいとわずに働いてくれる人を見つけることが先決であった。それでよいのか?

必要なことは、正味の所要時間に限りなく近い計画を立てるための仕掛け、また最短時間でそれをするための作業の配分をうまくする仕掛け、実際にかかっている時間をリアルタイムに把握して計画とのズレを警告する仕掛け、リアルタイムに次工程に間違い無くファイルの受け渡しをする仕掛け、これらに何か変更があってもダイナミックに再構築できて、いつも最適な制作の道筋を示す仕掛け、などなど、制作管理の課題は山積みなのである。

幸いこれらのグループウェアは、この産業以外の所ですでに発達したものが、次第に容易に使えるようになってくる。その時に、大手企業向けの何千万何億円のシステムではなく、何百万円のシステムとなって出てくるものもある。これからのDTPシステムの設計は、編集レイアウトの狭義の機能ではなく、作業に関わる人や組織などグループ全体の問題解決として考えなければならない。さらにその印刷物を必要とする顧客の「本業」とのリンクも、その先の課題としてある。

まだ日本ではそういう視点の取組みは少ないが、取り組んだところの成果は非常に大きいと聞いている。PAGE2000では、DTPの明日に必須な管理システムの構築のヒントとして、2/4 A6 DAM、アセッツ管理2/4 D4 次世代DTP2/4 D6 ワークフロー管理、および総合的な視点としてのPAGE2000のオープニング : by BILL DAVISONがある。DTPをデジタルの「3K」にならないようにし、DTPに夢を持って取り組めるようになってほしい。

2000/01/28 00:00:00


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