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PDFワークフローの基盤づくり

―印刷白書2007ダイジェスト:プリプレス[CTPワークフローの動向]―

成熟した技術になったCTP

CTP(Computer to Plate)は、製版フィルムを経由せず、DTPデータからダイレクトに刷版を出力する方式であり、印刷物製造工程省力化の技術として登場した。現在では、成熟した技術として印刷業界にはなくてはならないものになった。
CTPは、品質向上やコスト削減など出力工程の効率化ばかり注目されるが、PDFワークフローやFMスクリーニング、広色域印刷など周辺技術の進化に大きく寄与してきた。

CTPを中心とした自社の技術をより発展させるためには、経営者や現場管理者がCTPのメリットを充分理解し、印刷標準化の実現を軸に印刷品質安定化や作業時間短縮の実現のため、積極的に活用できる社内環境を構築することが近道になる。
CTPを活用したワークフローの方向性は、中間フォーマットにPDFを利用したり、工程情報と生産システムや機器(プリプレス、印刷機、加工機)を統合して生産性を向上させるためのJDFなどが重要になる。

PDFワークフローへの基盤づくり

PDFは、Adobe Systemsがポストスクリプト技術をベースにし、ネットワーク配信を目的に開発したファイルフォーマットである。現在では、ハイエンドのグラフィックアーツの世界でもプリプレスの中間フォーマットとして利用したり、遠隔地の工場間で運用されている。

PDF/Xは、PDFを印刷に利用する際に、運用上のトラブルがないように、本来PDFが持つさまざまな機能を制限し印刷業務に必要な機能だけを持つ印刷用データ交換のためのサブセットでありISO15930として規格化されている。PDFワークフローの中心であるPDF/X-1aでは、入稿時のデータ交換を円滑におこなえるよう、フォントはすべて埋め込まれ、カラーは CMYK指定など、通常の PDF よりも制約が厳しくなっている。

一方、PDF/X-1aやPDF/X-3の後継の規格になるPDF/X-4も策定が進んでいる。PDFの中で透明効果やレイヤーを使用することができる。 また、Adobe PDF Print Engineは、透明効果など複雑なデザインやエフェクトを含むPDFファイルを印刷機器で迅速、高品質に出力するプリントソフトウェア技術である。

透明を認めるPDF/X-4、透明処理の得意なAdobe PDF Print Engineという規格と技術が同時期に登場したことによって運用がより容易になり、本格的なPDFワークフローに移行できる基盤ができつつある。

FMスクリーニングの技術

従来のフィルム刷版(AMスクリーニング)は、網点の大小で画像の階調を表現するため、微小な点が露光によってとんでしまい、かえって階調性が失われるという欠点があった。
FMスクリーニングは、古くからある技術であるが、より小さなドットをランダムに使用する手法であり、CTPの普及によって見直された。CTPの登場により、数十ミクロン程度の微小点でも再現可能になった。

FMスクリーニングを使うことによって、ハイライトからミドルレンジの網点部分は色の重なる面積が少なくなり、加色混合の濁りが減少する。したがって中間調の彩度が上がる。モアレやロゼッタも発生しない。さらに、点サイズが小さくなるためにインキ皮膜層が薄くなり、結果的に使用するインキ量が少なくてすむため印刷コストの削減というメリットも生まれた。

一方、人肌や平網部分のザラツキ感、ドットゲインによる印刷時の品質管理などの課題もある。これらの解消のため、FMスクリーニングとAMスクリーニングのよい部分を組み合わせたハイブリッドタイプが登場し、第三世代のFMスクリーニングとも呼ばれている。

広色域印刷の色再現と取り組み

デジタルカメラ、Adobe RGBデータの流通、インクジェットプリンタなど、従来のプロセスカラー4色印刷の色域を超えるデジタルカラーが広がっている。オフセット印刷においても、Japan Color準拠の印刷が実現し、次はAdobeRGBの再現域を目指すなど、色再現領域を拡大するいろいろな手法が注目されている。これらは、CTPや印刷条件標準化の普及により、実用性が一段と進化した。

従来、プロセスインキではAdobeRGBの色再現は不可能である。そこで、CMYKに加えて、オレンジ、グリーンを追加した6色印刷(ヘキサクローム)、プロセス4色に2次色RGBを加えた7色印刷(スーパーファインカラー)などのソリューションが提唱されている。すでに、これらの技術を利用した付加価値のある印刷物が製作されている。

また、4色印刷でも従来の色再現域を広げようとする提案(ワイドカラー、カレイド)が始まっている。これらは、新開発のプロセスインキとインキの色再現を最大限に活用する色分解手法によって、4色印刷でも色再現を広げるという付加価値を追求したものである。


JAGATが毎年発行している印刷白書の2007年度版「印刷白書2007」は6月下旬発行予定。一般販売価格は30,000円、JAGAT会員企業には1冊を無料配布。

(2007年6月)

2007/06/17 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会