本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

デジタル入稿とオンライン校正によるワークフロー効率化

通常のシステム導入は、ハードウェアとソフトウェアを購入し、それからシステムを作るため、準備期間も初期投資もかかる。
ASPの場合、ユーザはインターネットを介してそのサービスを利用するだけであり、初期コストや運用コストを軽減することができる。一定期間だけの使用も可能である。結果的に過剰投資を防ぎ、費用対効果の高いシステム運用が可能となる。
テキスト&グラフィックス研究会では、ASPサービスのアセット管理(ActiveAssets:アクティブアセッツ)についてエイビス・テクノロジーズの西村浩之氏に話を伺った。

ASPサービスのアセット管理

アクティブアセッツには、データ管理(DAM)と、デリバリ、オンライン校正、Web配信の4つの機能がある。
画像データがほとんどサムネイル表示されることから、直感的に使うことができる。画像データを開くことなしに、ここにはこういう画像があると直感的にわかる。
また、Webブラウザとネットに接続できる環境があるだけで使用することができる。

ユーザのデータを預かる立場なので、安全性には非常に注意している。データは安全性、耐震性、耐火性、耐水性に優れたデータセンターで管理しており、通信はセキュリティー機関の認証と暗号化が施されたインターネットを使っている。

通販会社におけるポジのデジタル化

ある通販会社では、年間10種類のカタログを5人で制作していた。従来はポジを用意して制作会社に渡しており、ポジ管理のコストや手間、業者間の連絡・打合せに時間がかかると言う問題を抱えていた。

そのため、アセット管理システムを導入し、ポジをすべてデジタルデータに置き換えて保管することとなった。
制作の際にアクティブアセッツを検索して、画像データを確認する。新規の商品については、スタジオに撮影を依頼し、DAMへの登録もしてもらう。必要な画像データが揃うと制作会社に連絡する。
制作会社はアクティブアセッツから、指定された画像をダウンロードし、レイアウトをおこなう。レイアウトが完了し、OKになると、印刷会社に電子データをダウンロードしてもらい、入稿となる。

通販会社が外部とデータをやりとりする方法は、まずアクティブアセッツにデータをアップロードする。操作はホットフォルダにファイルをドラッグするだけである。

この通販会社は業務を効率化した結果、これまで年10冊だったカタログが、年間16種類発行することができるようになった。以前は1冊作るのに3〜4ヵ月かかっていたが、導入後は1ヵ月に短縮したためである。人件費はそのままで、カタログの発行種類、部数を増やすことができ、売上アップとなる計画である。

折込チラシのオンライン校正

ある制作会社は、地場のスーパーマーケットのチラシ制作を請け負っていた。従来は、スーパーマーケットの担当者が電話で掲載商品を指示し、その情報に基づいて制作会社でレイアウトを作っていた。レイアウト校正が出来ると、FAXで各担当者に送り、赤字を入れるフローとなっていた。
スーパーマーケットと制作会社間の連絡がFAXと電話のため、伝達ミスや制作のための待ち時間も多いという問題があった。

制作会社は、新たにアクティブアセッツによって、チラシで使う画像データを予め登録し、スーパーマーケット側に閲覧する権限を与えた。
スーパーマーケット側は、登録された写真を見て、電話で「どの商品をいくらで載せてほしい」と連絡する。制作会社はレイアウトができるとアクティブアセッツ上にアップロードする。校正用データをアップロードすると、担当者に「校正紙が出来た」というメールが送信される。

各担当者は、アクティブアセッツにログインし、校正データを見て紙と同じようにコメントを書き込む。オンライン校正が終わると、メールで関係者に通知される。校正データには、修正指示の履歴が残されており、それを確認しながら修正することができる。

電話とFAXのやりとりがデジタルに変わり、校正がオンライン化されたことで、制作フローが劇的に変わった。
このシステムを導入した結果、スーパーと制作会社の意思疎通が円滑に図れるようになった。また、オンライン校正により、業務効率化とチラシ制作の短縮を実現した。

(この続きはJagat Info 2007年6月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報誌 Text & Graphics No.255に掲載しています)

2007/06/19 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会