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ブログ、SNSなどを活用するCGMマーケティング

CGM(Consumer Generated Media)とは、インターネットなどを活用して消費者が生成していくメディアである。クロスメディア研究会の勉強会より、商品やサービスの情報交換が活発なCGM活用のマーケティングについて紹介する。


Web2.0時代に求められる情報
現在の検索は、ブログ検索サイトで個人ブログを探すとか、クチコミサイトやQ&Aコミュニティ、SNSといったもので調べていく。Web1.0時代の情報がプロの情報、作り手側の情報であったのに対して、Web2.0時代では買った人たちの情報ということになる。

BtoBの広告では「○○ではこのサービスを導入して成功している」という事例が効くと言われる。消費者も、ほかの購入者の「買って良かった」という言葉が一番欲しい情報である。確かに企業やプロが書くと、「いい商品らしい」という情報にはなるが、最後のひと押しは、実際使った人、買った人の意見を聞きたいという傾向があると思う。 購入者は、商品を買った時は「買って良かったのだろうか」という不安をもつ(認知の不協和)ようだ。いろいろな情報を得て、みんながいいと言っていると、「自分が取った行動は正しかったのだ」と納得できる。そんな場合でもCGMは役立っているのではないか。

CGMを改めて考える
宣伝広告担当から見た場合、ブログを書く人がたくさんいるということは、大量の読者がいる=広告を掲載するためのMedia、という発想ができる。効果的露出と媒体としての質は、どうやって担保されるのか。ということで、ソリューションとしてはContents Match広告などが挙げられている。

広報、PR担当から見た場合、商品・サービスに対する意見、考え方が記載されるということで、一般消費者に向かって報道してくれるMediaとなる。この課題はエバンジェリストの育成、すなわち、意見を広く伝える伝道者を育てることでクリアしたい。このように広告として知らせる、クチコミのキーマンになる人を探していくというマーケティングの活用がある。

マーケットとしての側面
CGMは良くも悪くも世の中の評判、多様な意見が書いてある。既に日本の人口の1割弱が、ブログもしくはSNSに登録しているそうである。そうすると、CGMを見れば世の中が見えるのではないか。CGMを科学的に見ることができれば、マーケットがある程度正確に分かるだろう。 CGMの世界がマーケットだと考えたら、企業サイドとしてはそれを調査する仕組みが必要なのではないかと思い立った。NTTアドではCGM Watchというものを考えた。

サンプリング不要、即時性
CGM Watchの強みは、調査票、サンプリングが不要なことである。「世論調査の支持率は、新聞社によって異なる」とよく言われる。調査票の作り方、質問の仕方、そして相手の選び方によるからだ。CGM Watchの場合は、書かれた意見を全部取ってきて分析するという考え方でやっている。

即時性もある。アンケートでは対象者を探したりする手間が付きまとうが、検索は既に書いてあるものを探すだけである。イベントなどなら当日アンケートを配って回収して集計することもできるが、商品購入した人に当日アンケートをするのは難しい。ブログなら、ゲームのような人気商品のレポートは、買ったその日のうちに書いてあるので、発売日や翌日から調べることができる。

(続きは「Jagat Info」6月号に掲載しています。)

(クロスメディア研究会)

2007/06/23 00:00:00


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