経営計画といった場合、企業を取り巻く環境や経営資源に照らし合わせ、3〜5年後の企業の姿を描く「経営方針」を、具体的な道筋と、それを数値で表現したものである。
独自の経営方針により、例えば、3年後には、「商印分野において建設業界をメインターゲットとして、新規顧客開拓を積極的に進め、売上高100億円、経常利益4億円を目指す」、などである。前期の実績として、年商75億を達成しており、今後は営業を中心とした人材開発・確保に資源を投入することなどが平行して計画される。3年後の目標を達成するためには、2年後にクリアされているべきレベルが数値で規定される必要がある。同様に2年後のレベルを達成するためには、次年度、つまり短期の目標が数値で規定されなければならない。
この様に、経営計画は具体的にその実現を図ろうとするものであるならば、数値での表現は不可欠である。ここでは、主として経営計画を具体的に数値で表現した数値計画について議論する。
■部門別利益管理(PMP)
経営管理における部門別利益管理(PMP)は、前年実績を基に、次年度の全社固定費および変動費を科目別に意思決定する。この全社費用総計に目標利益を乗せて、全社目標売上を設定する。その上で、意思決定した固定費、変動費、目標利益を部門別に展開(配賦)し、各部門の目標とする「部門別」売上高を設定することから始まる。
各部門に設定された目標売上や目標利益、と実績売上や実績利益を捕らえることで、部門別に業績管理が可能となり、全社業績に寄与する社内各部門にける強みや弱みが数値で把握できると言う、極めて理にかなったシンプルな利益管理手法である。
■中長期経営計画と部門別利益管理の整合性
上記の様に、中長期の経営方針からブレイクダウンした次年度の短期計画(全社レベル)は、当然、過去の実績に基づいて、意思決定した固定費や変動費、目標利益から積み上げた目標売上高と一致しなければならない。
この整合性を取ることで、経営の数値計画は絵に描いた餅ではなくなり、実践に耐えうる計画として機能し始める。整合性が取れない場合、通常過去の実績と現有資源に対して、過剰・過大な目標を設定している場合が多いであろう。ここの整合性は、中長期計画と短期計画の整合性といえる。
■月次の計画、製品の販売価格
次年度の短期計画が中長期の計画に整合性を持ち、裏付けが得られることで、次年度の全社計画を、上記の部門別利益管理(PMP)システムにより、部門別に展開され、過去の実績を基に、次年度の月別の操業度、売上傾向が、意思決定されれば、月次計画への展開が図られることになる。
さらに、部門別の短期目標売上と、次年度の人や設備の稼働時間を意思決定することで、単位時間当りの目標売上が得られることになり、この目標単位売上を時間単価と解釈し直すことで、製品の仕切価格(もしくは標準原価)と標準売価が、一気に設定可能になる。これは、短期計画と部門別計画の整合性といえる。(この辺の詳しい議論に興味のある方は、下記の連絡先までご一報されたい)
つまり、中長期の経営計画から、月次の短期計画、及びその実現を担保する製品標準価格が、一気通貫の整合性が確保されることになる。これは経営管理の計画プロセスでは、非常に重要な柱であると同時に経営の羅針盤になる考えているが、実際の経営に携われる経営幹部の方の率直なご意見を頂ければ幸いである。
JAGTAでは、上記の部門別利益管理に関するセミナーやコンサルティングを実施しています。詳しい内容は協会HPまたは下記に問合せ下さい。問合せ先:JAGAT研究調査部 03-3384-3411
(2007年8月)
2007/08/08 00:00:00