主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2007年5月の景況報告

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市場動向

5月の書籍雑誌推定販売金額前年比は5.8％減の大幅な落ち込みになった。書籍は、昨年同月のハリー・ポッターシリーズ第6巻の刊行の反動で10.2％減、金額で91億円減という大幅な前年割れになった。雑誌は2.2％減であった。週刊誌は2007年に入ってから落ち込み幅が縮小してきており、5月も0.5％減であった。ここのところの週刊分冊百科の売れ行きのプラスもあるが、そぎ落とされる部分が既にかなりそぎ落とされたからかもしれない。返品率は、書籍、雑誌ともに上昇している。

5月の広告業売上前年比は1.9％減。4月に11カ月ぶりでプラス（0.1％増）になったのも束の間、5月は再び6.3％減の大幅な前年割れになった。テレビが4.8％減で2006年4月に次ぐ大幅な前年割れになり、シェア第2位の新聞も10％減という大幅なマイナスであった。その他、雑誌（6.9％減）、ラジオ（8.8％減）も大きなマイナスになった。SP関係もSP・PR・催事企画のみ5.4％増で、好調だった交通広告も2.6％減になった。折込・ダイレクトメールは5カ月連続の3.6％減である。

仕事の状況

5月の一般インキの出荷販売量前年比は1.3％増で5カ月ぶりに前年を上回った。主力の平版インキは1.6％増と順調に伸びた。しかし、昨年10月、11月の3％台には及ばず、12月以降のすう勢を見ると、これが安定成長につながるか否かは全く不明である。2007年に入って下降線にあったシェア第2位のグラビアインキも、5月は1.2％増と持ち直した。樹脂凸版インキは、4月（4.0％増）に続いて5月も4.8％増と好調であった。金属インキは9.4％減。

5月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は0.7％増で6カ月連続で前年を上回っている。非塗工紙は、中級紙、下級紙は悪くなかったが、中級紙、下級紙の倍の規模の上級紙が2.7％減となり、0.8％減の前年割れになった。最近、プラス、マイナスを繰り返しつつ減少気味であった微塗工紙は4月のマイナスから一転して2.0％増になった。塗工紙全体は1.1％増だった。軽量コート紙が1.0％減、アート紙も6.8％減と振るわなかったが、コート紙が2.6％増で全体をけん引した。

（「JAGATinfo2007年9月号」より）

2007/09/18 00:00:00