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様変わりしたBF市場と期待されるグラビアのCMS

BF印刷機の動向

ビジネスフォーム(以下BF)印刷機メーカーは、BF印刷機を原型にしてラベル・軟包材用のオフセット印刷機の製作も行っている。BF印刷機は加工をインラインで行い、小型に設計されていることからBF以外にも応用されている。 国内では、ラベル印刷機は製造されているが、軟包装専用のオフセット印刷機は製造されていない。

BF市場の二分化

中堅印刷企業を中心に、一般商業オフ輪を使ってチラシ以外のものを制作するという動きがある。オフ輪に接続したフィニッシャー装置を使って今までできなかった加工ができるようになった。 したがって、今はBF業者同士だけでなくオフ輪業者との競争もあり、市場がボーダーレス化になっているといえよう。

DPSとPOD

市場としてDPS(Data Print Service)と、POD(Print On Demand)は分けて考えられてきた。DPSは、今まで2桁台で伸びてきたが、それも今後伸び悩みがみえている。今後はフルカラーの分野であるPODへの期待が大きい。DPSとPODは分けて考えられていたが、今後は併合して考える必要があるだろう。

宅配伝票も1P化へ

BFの市場はシュリンクしているが、その理由は、白紙化と複写式の複合伝票の1P(one parts)化などがあげられる。白紙化はオフィスでカラープリンターが使われておりフォームオーバーレイにより白紙を納入すればいいことになる。 物流でもより高速で処理することを目指して1P化の方向に動いている。

グラビア印刷の動向

グラビア印刷も最近では小ロット化傾向になっており、以前は数万メートル印刷していたものが数千メートルに減っていることが多い。セットアップには時間はかかるが、印刷するとすぐ終わるような小ロットのものが約半分くらいになっている。

期待されるCMSの確立

ペットボトルのシュリンクラベルはフィルムに印刷している。校正用のインクジェットプリンタの出力媒体は紙だ。最近では、フィルムに対応したUVインクジェットプリンタが使用され始めている。ここ数年でグラビア印刷でも使えるUVプリンタが業界の中で認知されCMSを進めている会社もある。

この目的としてはもちろん精度の高い色校正刷りの提供とそれをもとに印刷の立ち会いをなるべく少なくして工場内の作業効率をアップさせることである。

グラビアとフレキソ

軟包装グラビア印刷のフレキソ印刷への移行はほとんど進んでいない。その原因のひとつは日本でのフレキソ版のコストにある。日本でのフレキソの樹脂版の価格は海外よりはるかに高く、一方、グラビアのシリンダーのインフラは進んでいることがある。

フレキソ印刷の市場の多くは段ボールと紙袋である。この分野においても、技術革新のため、多くのトライアルがされている。バーコード印刷が段ボールされているのもその成果の一端だ。

出典:JAGAT 発行「2007-2008 グラフィックアーツ機材インデックス」 工程別・印刷関連機材総覧

(2007年9月)

2007/09/10 00:00:00


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