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顧客に応えるコミュニケーション力

大東印刷工芸株式会社は、企画、デザイン、印刷までを一貫して制作し、効果的なコミュニケーションを実現している。さまざまに変化していく情報社会の中で、マーケティングを起点としたシステムを構築し、顧客のニーズにこたえることに努めている。同社代表取締役社長 花崎博己氏に営業戦略について伺った。

会社本位の営業から顧客志向の営業へ

同社は創業以来、商業印刷の分野で顧客から高い評価を受けてきた。長年の経験と実績を基に、顧客の多様なニーズにこたえてきた結果、印刷物制作のみならず、販売戦略まで相談されるようになったという。

「お客様からいろいろ相談していただけたことが幸運でした。難しい宿題をお客様から頂いて、それを克服することで力が付いてきたように思います」(花崎氏)

印刷物に付加価値を与え差別化を図るため、まず印刷物ありきから脱却して、セールスプロモーションをビジネスとして取り込む体制作りが大きな課題と考えた。

「印刷会社は印刷だけを行う」というイメージを払しょくし、変わっていかなければならない。 そのためにも従来の営業のあり方を変え、自社の特徴を打ち出し、印刷受注の営業体制から顧客志向の営業へとシフトしていかなければならない。顧客のメリットを訴え、常に新しい提案をする営業スタイルに変えていった。そのために企画書としてさまざまな提案を考え、自主的にプレゼンを行ったという。

企画、デザイン、印刷までを一貫して制作、トータルなコミュニケーションを目指す

「もともと印刷という仕事の本質は、コミュニケーションをつかさどることだと考えています。以前から、当社はトータルコミュニケーションカンパニーを掲げてきました」(花崎氏)

このトータルコミュニケーションこそセールスプロモーション戦略の要となっている。 同社が本格的にセールスプロモーションに力を入れ始めたのは、1980年代にクリエイティブ活動を推進する拠点として、大東クリエイティブセンター(DCC)を立ち上げたころだ。 DCCにはデザイナー、編集者、カメラマン、ディレクターといった、それぞれの分野のプロフェッショナルが揃い、「自分たちでは気づかない部分をアドバイスしてくれ、安心して任せられる」と顧客に好評だ。

DCCとともに、同社のセールスプロモーションの柱となっているのが「DIETS:ダイエッツ」システムワークである。「DIETS」とはDAITO INTEGRATED EXPRESSION TOTAL SYSTEMの略で、マーケティングから印刷までのトータルなコミュニケーション表現システムを指す。

企画、デザイン、印刷までを一貫して制作し、企業のコミュニケーション活動に統一された流れを作り、宣伝・販売促進をするための大きな戦力となるのがミッションである。 消費者の価値観に合わせてコミュニケーションの手法が変化する中、情報を届ける媒体の意味が見直されている。同社では「このコミュニケーションに対してはこのツール、このメディアがベスト」とタイムリーなプロモーションを心掛けている。

プリンターズサークル』9月号 特集「川上からの価値創造で顧客ニーズをつかめ」より一部抜粋

2007/09/29 00:00:00


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