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メディアをマッピングする空間

「メディアはメッセージである」と主張したのはマーシャルマクルーハンである。マクルーハンについては英語のWikipediaと日本語のものとでは数十倍の情報量の違いがあるほど、欧米では多く語られ、日本では語られない人である。マクルーハンはメディアとは「媒体」というモノなりサービスを表すだけではなく、メディアそれ自体がある種のメッセージ(情報、命令のような)を既に含んでいるという。これは刺激的なテーゼであったし、後にもっともな考えだと認識されるようになった。

それからすると、紙の雑誌の紙面のようなものをディスプレイ上に表示する仕組みは、紙とは別メディアになる。ただし人間の身体機能の眼の拡張という点では共通である。昔は自転車は足の拡張であるのに対して、ラジオは耳の拡張というような単純な議論で済んだがあらゆるメディアがデジタルによって成り立つようになると、電子雑誌には音も映像も入れられるので、「マクルーハン」も拡張しないとならなくなった。

今身の回りにあるものは、WebやDVDはもちろんのこと、ゲーム、電子辞書からケータイ、TVまでマルチメディアを実現している。しかしそれらは今までの単一メディアに比べて別次元に到達していると認識されるほどのものではない。新聞雑誌のような紙メディアの情報容量の制約や、放送の時間軸という制約をWebなどは取り払ったという点では大きな進歩であるが、Webがすべてを飲み込むほどではない。

Webはサイバーワールドとも言われ、リアルワールドと対比する人もいたが、実際には両方が絡み合ったものが必要であろう。例えば販促というものはリアルワールドが対象だが、現実にはまだないところでの目論見でありシミュレーションとTry&Errorである点ではバーチャルな世界である。だから販促活動のデータをリアルタイムに把握してゲームの攻略のようにTry&Errorが行いやすい販促手法がよいはずだ。

生活者・消費者にとっても同じで、いろんなメディアを複合的に使って買物や学習や娯楽をしている。それで今まで以上によい結果が得られるならば、世界はその方向に進むだろう。メディアの間を渡り歩くことをスムースにする(=CrossMedia)のがこれからの大きな課題になるのではないか。

クロスメディア研究会会報220号より)

2007/09/27 00:00:00


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