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Lab表色系を利用したPhotoshopプラグインの構築

色を表すための考え方には、XYZ表色系の色度図や三次元直交座標を用いるLab表色系などがある。例えば、Lab表色系は、輝度成分(L)と2つの色成分(a、b)で表現され、印刷以外の産業界でもカラーマネジメントとして数多く活用されている。

印刷会社が慣れ親しんだCMYKからLab表色系を利用した、より広い色再現によるレタッチの特徴やメリット等を、PhotoshopのLabカラーレタッチプラグインを構築したDTPコンサルタントの山本広文氏に伺った。

Labカラーレタッチの流れとメリット

構築したLabカラーレタッチの流れは、CMYKやRGBなどの画像データを一度Labカラーモードに変換し、Labカラーモードで色調整や画像修正を行うものである。画像修正したものをプロファイル変換で使用するカラーモードに変換する。例えば、DTPアプリケーションは、Labカラーを直接レイアウトできないのでCMYK画像に変換する。画像修正するときは、色調整以外Photoshopの機能を使用する。

Labカラーモードを使ってカラーレタッチを行うメリットは、以下の要素がある。

1.階調と色調を別々に扱うことができる

CMYKやRGBは同じチャンネルに階調の情報と色調の情報を持っている。そのため、中間部分の色を変更した場合も、ハイライトミドルやシャドウ部の変化を確認し、意図しない方向に変わっていないか見ることが必要である。色のねじれが発生することが多々ある。

Labカラーモードの場合は、階調はL値、色調はab値と階調と色調のチャンネルが分かれているためab値で色を変更しても元の階調は変化しない。変更したい部分だけを直接指示しても思いもよらない変更になることは少ない。

2.CMYKとRGBを同じ色修整ノウハウで実践可能

製版・印刷では、RGB画像も扱うことが要求されている。RGB色修正のノウハウは、CMYK画像のノウハウとは異なる。RGBの時は、CMYKの場合とは数値的に反対の指示になるので混乱する。

Labカラーレタッチでは、CMYKもRGBも同じLabモードにするので色修正の方法は同じである。また、Labモードの色修正は操作・指示自体は直感的操作の方法に近いので習得するのもCMYKやRGBに比べ容易である。とくに、新人育成には効果があると考えている。

(続きはJagat Info 2007年9月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.260に掲載しています)

(テキスト&グラフィックス研究会)

2007/09/30 00:00:00


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