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通信販売におけるメディアミックスの状況

図は、日本通信販売協会「通信販売企業実態調査報告書」をもとにJAGATで作成した通信販売業における媒体利用率と媒体別売上構成比の変化である。
図:通信販売の媒体別売上構成比、利用率

通販業界の急速な売上拡大にはインターネットの普及が大きく寄与している。インターネットの利用率は、2004年度で既に90%を越えたので2005年度はほぼ横ばいになっているが、売上構成比は1.8ポイント上昇している。最近では、携帯を販売促進に使う動きが分野を問わず増えてきており、2005年度は携帯の利用率と売上構成比のデータが採取された。結果として、まだ売上構成比は少ないが利用率は31.6%で、TV、雑誌、フリーペーパータブロイド版と同程度になっている。インターネットの売上構成比は、携帯を含む全体で15.8%になりいよいよDMに近づいてきた。

通信販売業界ではメディアミックスが当たり前になってきている。購入の際のPC利用者は39.3%でカタログ利用者(41.8%)に迫ってきている。一方、折込チラシやDMの利用も堅調である。個人情報保護法施行以降、折込チラシは新規顧客獲得に重要な役割を果たしているという。カタログは分冊化しターゲットごとに分冊カタログを組み合わせて配布することで効果を上げている。また、FAXや電話はテストマーケティング手段として確保しているという。

図の利用率の下に「媒体利用の多様化」状況として数字を掲載しているが、これは、各媒体の利用率の合計値である。媒体利用率は複数回答になっているから、この合計が大きくなれば媒体利用の多様化が進んでいると見ることができると考えて計算したものである。 図で見るように、2002年度〜2004年度の間は、テレビの利用率が低下したので合計値も減少したが、2005年度は大幅に増加している。携帯のデータが新たに入ったこととテレビの利用率が戻ったことも利いているが、それらの影響は増加分の50%弱である。カタログ、新聞、会員誌、雑誌、ラジオと新聞広告特集などで利用率が増加している。FAX、電話は「その他」に入るのだろうが、いずれにしても2005年度の状況は、まさに媒体利用の多様化を示している。

(印刷マーケティング研究会会報 FACT 2007年5月号)

2007/10/16 00:00:00


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