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中国におけるDTP制作サービス(研究会速報)

エコーインテック株式会社 代表取締役社長 尾頭 豊氏

エコーインテックの本社は日本橋にあるが、DTPの営業だけをやっている。東京にDTPの営業機能があり、大連でDTP制作をおこなっている。

業務内容として、文字入力だけの仕事が結構ある。3組によるベリファイというやり方により、99.997%の正字率を誇っている。ほぼ100%に近い正字率である。
図版の各種トレースも、学参物を結構やっている。そのまま下絵にしてトレースするだけではなく、理論的なことも理解して、専門的な分野のトレースもできるような状態になっている。
写真の加工というのは切り抜きである。
間取り図の作成については、月間3万件くらいを処理している。

メインは組版である。今まで学参物を相当たくさんやってきて、最近ではカタログ類、専門書、医学書等、分野が広がってきた。これを主力としている。また、XMLデータベースと自動組版、スタイルシートの開発も、ある大手出版社から依頼を受けてやっている。

組版の流れは、エコーインテックのサーバに顧客からアップロードしてもらうか、FAXで入稿してもらう。入稿されたデータを複合機で簡単にスキャンし、TIFF等に変換してアップする。
大連では制作してPDFで顧客にデータとして送る。そこでプリントして赤入れしてもらったものを再度スキャンしてまた戻すという繰り返しである。

間取り図を月3万枚くらい書いているが、その原稿は大手不動産会社の出先とかフランチャイズの営業マンが、FAXを使って入稿してくる。その営業マンは、東京で間取り図を書いていると思っているだろうが、全部大連で書いている。
この間取り図は、顧客がWebに使うのか印刷に使うのかという用途がある。ある顧客からは、4つのファイルに生成してくれということで、JPEG、GIF等、このサイズでという指定がある。これをIllustratorでやるが、いちいち設定した画面で1つずつ処理してファイルを生成していくのではなく、全部自動化して4つのファイルに生成している。

われわれは、中国の大連でDTPをやっているが、顧客の安心につながるようなサービスを提供している。つまり、時間のかかる組版、2〜3ヵ月かけて何千ページ仕上げるようなレベルの仕事は、営業が顧客と接触して連絡する他、顧客からも自由にサーバにアクセスして状況を見てもらうことができるようにしている。
インターネットの環境があれば、どこからでもID、パスワードで入ってもらい、その顧客の進行中のジョブについて、進捗を見ることができる。

2007年8月

2007/10/18 00:00:00


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