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DTPにおけるグループワークとスクリプトによる自動化(速報)

株式会社THINKSNEO 代表取締役 大里 浩二 氏

THINKSNEOは制作デザイン会社だが、売上の7割はエディトリアルである。そのうち8割は、ゲーム雑誌やゲーム攻略の書籍である。
「月刊アルカディア」というゲーム雑誌のエディトリアルを、毎月受注している。カラーページが120ページ、モノクロページが60ページで、年間2,160ページくらいをやっている。制作期間は約10日だが、実質的には約1週間で進めている。

ワークフローやワークグループを見直すことで、効率よくこなしている。ソフトウェアの機能をフルに使いこなしている。InDesignのスクリプトという機能を使い、自動処理している。

ワークフローの見直し

デザイナーがいてオペレーターに渡すというワークフローは、アナログ時代のデザイナーが指示書、指定紙を書いて、写植フィニッシュマンが仕上げる、版下を作るというワークフローを踏襲している。

THINKSNEOでは、オペレーティング担当が下ごしらえをして、それから仕上げをデザイナーがやるという流れが多い。最初にラフスケッチがあって、オペレーティング担当がそのとおりに配置する。これを下ごしらえと呼んでいる。その後でデザイナーが仕上げる。この流れのほうが、効率がいい。

また、中にいるスタッフ同士も、それぞれのお互いの状況を知って、ちょっとでも手が空いたら手伝うとか、「私はこれが不得手なのでお願い」というようなことを必ずやっている。そういったチーム作りが大事である。

オリジナルスクリプト

InDesignのスクリプトを活用している。プログラマーやシステムのプロが書いたものではなく、編集者が作ったスクリプトである。
カードゲームの攻略本を作ったときのものだが、何百枚もカードがあるがこれを一気に片づけるスクリプトがある。
1つのカードに関連するテキスト情報をExcelデータとして支給してもらう。対応する画像のファイル名も入れておいてもらう。
Excelの1行が(レイアウト上の)1つのユニットになっており、「Excelブリッジ」というオリジナルスクリプトをダブルクリックすると、勝手に流しこみがおこなわれる。テキストがオーバーフローする場合は、自動的に長体がかけられる。画像サイズも、「画像ボックスに合わせて変形する」という指示が勝手にかかる。

スクリプトは、アイデアがあって「こうしたい」というイメージがあれば、そういう技術に長けている会社に依頼して書いてもらうこともできる。ちょっとした小技を、自分たちの手で、それほどお金を掛けずにできる。

2007年10月

2007/10/23 00:00:00


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