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eビジネスの促進要因としてのWeb

インターネットはWebもケータイも含めて考えると、仕事中や外での遊び中でもしばしばつかうものとなったので、働いている人にとってはもはやTVよりも接触機会が多いメディアといえるだろう。だから働いている人をターゲットとするものは情報をインターネットに出すことはますます増えていく。しかし「企業Webサイトの実態とブランディング向上」報告にあるように、まだ評価がされないサイトも半数はある。Webのよしあしは単純にシステムやコンテンツやデザインで決まるものではなく、一貫した戦略性がないと個々の努力があっても成果をだせない。

戦略のはっきりしているところは取組みやすい。例えば通信販売は今はだんだんネットの比重が高くなってきている。ネット販売が伸びるのは、慣れれば注文がしやすいとかネットで買うと安いなどのメリットもあるが、通信販売をしている会社にとっても、ネットで買ってもらうとオーダーの受付が無人化できて、決済も直結できるというように、社内コスト低減とかリスクがかからないという、ある意味効率的なことがある。

これが電話で注文を受けるにはコールセンターが必要で、FAXであっても再入力して処理しなければいけないし、送ってもらったものの字が読めないとか、矛盾するところがあると、もう1回コールセンターからお客さんに電話をして確認しなければいけない。ところがWebで注文してもらうとそういうことが減る。またFAXで注文をもらっても在庫がないとコールセンターから連絡しなければならない。Webで在庫の有無とかもその場で処理していくならコールセンターの負担は少なくなり、今までコールセンターに何千万円かかっていたものを1,000万円減らせるなどの改善ができる。

Webは企業と顧客の接点であるという点で改善をどんどんやっていくと、コールセンターによくある問い合わせ、FAQのようなものを、逆にWebのほうに最初から載せていけば、コールセンターの経費はどんどん減っていくはずである。買ったお客さんのサポートも、使い方がわからないとか、故障したとか、いろいろなこともWebでサポートしているが、これも上手にすればするほどコールセンターの負担は減る。つまり単にクライアントの商品をプローションするのに、あることないことどんどん情報発信するのではなく、クライアントのビジネスそのものの内部コストを減らすとか効率化することもWebではできる。

つまりeビジネスでは売上げ増と効率化の両面でバランスを取って取り組むべきである。効率化が次の開発投資の源泉になるからである。クライアントとニッチな関係の中にいる者にとっては、クライアントのコスト構造もわかる立場なのでクロスメディアで、クライアントのビジネスの総合的なソリューションを考える位置に入ることができる。ITやネットのこと、あるいはグラフィクス制作とか販促企画よりも前に、顧客のビジネスのPDCAを改善しようという視点をもつと、自ずとどんなクロスメディアをしていけばよいのかという答えは出てくる。前記事前々記事の「IT、ネット、メディア」という3技術要素は顧客のビジネスのPDCAの促進要因なのである。

ホストコンピュータ時代の企業の基幹システムと違って、XMLが普及していくに従って基幹システムが企業のコンテンツも管理するようになるので、基幹システムとメディア制作の関係はぐっと深まっていく。それとともにeビジネスにおけるメディアシステムの役割も大きくなる。クロスメディアエキスパート認証制度はそういった時代に備える人材プログラムである。


【関連記事】
・その1 「クロスメディア」はプロモーションの一部か?
・その2  ビジネスが変わる、メディアの役割が変わる

(2007年11月 クロスメディア研究会)

2007/11/19 00:00:00


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