ワンストップに向けて領域拡大
DUALGRAPHICSはロサンゼルスの中心から車で1時間ほどに位置する印刷会社である。2007年11月でも昼間の最高気温25度という西海岸の暖かさは、ニューヨークからピッツバーグ、ロチェスターを経由して朝氷を踏んでき身には別世界である。DUALGRAPHICSは撮影スタジオ、デザイン、プリプレス、印刷、製本加工、メーリングまでのワンストップサービスを行なう、規模120人の商業印刷会社である。販売促進のキャンペーンに関連する紙器加工やプロモーショングッズなどの受注体制も持っている。
さらに企業に対する販促ベンダーのマーケットプレイス的な機能(Advertising Specialty Institute)も提供していて、企業や広告代理店、博物館などへのサービスを展開している。
広告代理店との協業でパーソナルDMに対応
1年前にXEROX iGEN3と絵柄の中にデザイン文字などを可変出力できるXMPIEも導入した。今でも可変データ出力も15%ほどあり、デジタル印刷の利益率はなんと70%に達する。デジタル印刷への取り組みについてはオフセット印刷のような、「コストベースの考え方を付加価値ベースの考え方」に変える必要性を強調していた。
XMPIEにより、One to one DMとパーソナルWebサイトを連携させたキャンペーンも展開した。DMを見てWebにアクセスしてきた生活者に対して、さらにOne to one DMでフォローする。このキャンペーン企画は広告代理店が行なったが、発注元に対してはキャンペーン一式での提供であり、広告代理店と利益を分け合うことができたという。
営業の考え方を変える教育
営業にはデジタル印刷による新たな価値を理解して実行してもらうことが肝要である。20万枚の薄利のオフセットビジネスと、2万枚の高収益デジタルビジネスでは、発注元にとってどれくらい価値が違うのかを、まずは自社の営業に説いている。
今年の10月に1カ月のiGEN3の出力は100万枚を超えた。従来はオフセット印刷していた美術本なども、小部数のものはiGEN3で印刷したり、表紙をオフセットで中身はiGEN3というカストマイズ本も受注している。
薄利なビジネスからの脱却を目指す
以前はオフセット印刷機と製本加工などを持つ印刷会社であったが、大量生産・大量納品であるが薄利なオフセットのビジネスからいかに脱却して高収益ビジネスを展開するという方向で、4年前からフルフィルメントの内製化、1年前にデジタル印刷機の導入による価値の創造を図ってきた。
「現在の顧客に新しいオフセットの仕事は無い」という認識の下に、10人の営業はデジタル印刷の新たな価値は既存顧客の深耕による新規提案と、大企業の両方をターゲットにしている。
もしデジタル印刷機を導入していなかったらという問に副社長のTom Dupuis氏は「 5年後には6台のオフセット機は1台になるだろう」という。
3年後のデジタルビジネスについての問には、売り上げを30-35%ぐらい成長させたいと、強い思いを語ってくれた。
今回の企業訪問を含めて、米国4社、国内3社のデジタル印刷ユーザーレポートを、月刊プリンターズサークル2008年1月号の紙面に掲載いたします。ご期待下さい。
2007/12/14 00:00:00