DTPやプリプレスのデジタル化は成熟段階へと到達した。ただし、印刷会社の視点では完成したと言えるが、顧客の視点で見ると煩雑な校正作業や校正漏れによる印刷ミスなどが解消したわけではない。
流通業界や製造業の多くで実現しているような、高度なサプライチェーンに到達しているとは言えない状況である。
そのような中でも印刷会社と顧客間でコンテンツデータや指示情報をやり取りし、顧客の立場に立ったオープン化、コンテンツ再利用、全体最適化などを実現した取り組みも始まりつつある。
PAGE2008コンファレンスのグラフィックストラックでは、印刷物の製作だけに留まらず、顧客の問題解決や印刷会社のサービス価値を高めるチャレンジとして、Web toプリントやバリアブル印刷、XML出版などを取り上げる。
また、ボーンデジタル時代における新たなカラー品質向上についても取り上げる。
■D1 RAWデータと印刷入稿
無責任な「RAWデータ入稿の勧め」が一段落しているのは喜ばしいことであるが、写真データを素材として使用するCG合成や、クリエイティブ志向のフォトレタッチ(従来のハンドレタッチとは区別して考えなくてはいけない)では、自由度の高いRAW入稿が常識になっている。RAWデータの技術的なポイントに注目し、印刷データとしてのRAWデータの可能性を考えていく。
■D2 DTPに求められる機能と効果的な利用 <DTPとスクリプト活用>
DTPソフトウェアは成熟段階と言われており、最新バージョンの機能であっても多くの人に熟知されているわけではない。すなわち、作業の効率化に役に立つ方法であっても、多くの人に認知されているわけではない。
そこで、現在のDTP制作現場の実態とグループワークの手法、作業を効率化するスクリプティングについて取り上げ、今後のDTPに求められる機能を議論する。
■D3 Web toプリントとサーバ自動組版
発注者サイドでテンプレートに最新のデータを流し込むことで、Webブラウザ上で印刷物のレイアウトをおこない、電子発注するシステムが徐々に普及しつつある。発注者サイドで操作することで、校正の効率化、受発注事務の電子化などを実現することができる。
法人向けでは情報誌やフリーペーパー、チラシ・カタログなどの分野で利用されている。個人向けとしても、名刺・ハガキやフォトアルバムのオーダーサイトが増えている。着実に増加しているサーバー自動組版について考察する。
■D4 広色域印刷の品質を追求する -分光画像原稿で比較する-
高品質枚葉印刷にsRGBの色域が不十分であったように、広色域印刷の可能性を量るにはAdobe RGBの色域でも不十分である。
本セッションでは、まず6分光により正確な階調性とAdobe RGBを上回る広色域を持つ理想の原稿(データ)を作成する。さらに理想の原稿による広色域印刷をおこなうことで、本来の広色域印刷の調子再現品質と広色域印刷に適した原稿を考えていく。
紙メディアの未来も占うセッションである。
■D5 出版分野のXML活用
印刷物製作と同時にWeb・携帯サイト配信や電子書籍製作を行うには、XML形式でのコンテンツ保管とパブリッシングが最も有効である。
電子辞書はほんの数年間のうちに普及し、また小説やコミックの電子配信サービスも本格化してきた。XMLは出版分野における基盤技術となりつつある。
出版分野におけるXML活用の事例や技術を議論する。
■D6 バリアブル印刷の動向
国内外のデジタル印刷市場の成長とともに、バリアブル印刷の用途開発・利用も増えてきた。マス広告からパーソナルへの対応として海外のバリアブル印刷の事例を含め、国内の現状や今後のビジネスに活かすためのヒントを探っていく。
(2007年12月)
2007/12/22 00:00:00