ITライターから作家に転進した大村あつし氏は、クロスメディア時代の「作家2.0」を自認している。これからの作家は、作品を仕上げて編集者に渡すだけではダメで、自らもコンテンツ(作品)をどのように生かしていくのかを考えていくべきであるという。
15万部のベストセラーになった『エブリ リトル シング』は、もともと紙ベースでの小説である。中に収録されている「クワガタと少年」は、それだけ抜き出し、絵本として制作されている。
それだけでなく、朗読したコンテンツを携帯電話でも視聴することができる。
もともと紙の本として、上梓されたものが、携帯小説として読めるようにもなっているし、音声も聴くことができる。通常の携帯小説が本になるのとは逆の形態である。
携帯小説が流行る背景には、ネットや携帯であらかじめふるいにかけられることがあるという。そこでたとえばPVや滞在時間を稼いでいるとコンピュータによる裏づけがなされ、出版社としてもリスクを回避できる。
しかしこの流れは、小説にとどまらず、やがてビジネス書にも広がるのではないか、この数年の間にその流れがあるのではないかと思っている、という。
(2008年1月)
2008/01/15 00:00:00