CIMにおける自動化の最大の特徴は、MISと生産設備との連携である。これについては、MISのJDF対応と連携の形が課題である。MISのJDF対応に関しては、自社開発、JDF対応のパッケージ利用などが考えられるが、一般的にはJDF対応のパッケージを使う方向が強くなっている。
後者の課題について、当初は、JDFという共通フォーマットを使うことでMISと生産設備のコントロールシステムを直接に繋ぐことが想定されていた。しかし、実際的に捉える実績情報の具体的内容、通信の仕方は、それぞれのシステムで違う。したがって、細部においてはそれぞれのコントロールシステムに合わせてMISの整合性をとらなければならなくなり、それでは異なるシステムの枠を超えた柔軟な連携は実質的にできない。
そこで登場してきたのが、JDFコントロールサーバーのようなものを中間において、それを介してMISと生産設備間のデータ交換をするものである。このようにすることで、MIS側ではどのメーカーのコントローラーとの連携においてもひとつの対応で済ますことが可能になる。このJDFコントロールサーバーは、いわゆる業務管理システムの3階層モデルにおける「生産実行システム」にあたるものである。このコンセプトには、MISベンダー、印刷側ともに異論はないし期待も大きい。すでに、ハイデルベルグ社の「Prinect」の内容として発表されている。
このMISと生産設備間のデータ交換については、単純に両者の間にデータ変換機能を入れるも考えられるが、それを実現したのが株式会社メタテクノのソリューション「JDF PrintStreetシリーズ」である。「BackStreet」、「FrontStreet」の二つのモジュールからできている。「BackStreet」は、MISなど、上位アプリケーションのためのJDFインターフェースモジュールで、JDFとMISを組み合わせることによって、JDF/JMFによるプリプレス、プレス、ポストプレスの連携動作を実現する。一方、「FrontStreeem」は、デバイス機器をJDFワークフローにつなげるためのJDFインターフェースモジュールで、JDF非対称のディバイスをJDF対応化できる。
このような機能とともに、その価格は非常に魅力的である。
上記の「PrintStreet」は、Page2008展示ホールCの「MIS/JFF ZONE」に設定する「JDFステーション」でその内容を紹介する。さらに、展示ホールAのキヤノンマーケティング/キヤノンシステムソリューションズのブースでは、MIS、デジタル印刷機と連動した形で実際にその稼動を見ることができる。
(2008年1月)
2008/01/29 00:00:00