貴社では、今後の経営をどのように考えていますか?
まさか、「売上を伸ばすために、新規顧客拡大を目指す。そのために、営業力をつけて生産設備を強化する」というものではないでしょうね! それではいままでと全く変わりなしで、業態変革はもとより、他社との差別化、オンリーワンの実現などとてもおぼつきません。というより、価格競争による収益性低下の負のスパイラルにますます深く落ち込むだけです。
いまの時代、経営の舵取りは非常に難しくなっていますが、選択肢は今まで以上に増えていることは間違いありません。ただし、それらは過去のやり方をちょっと変えるだけ、他社を模倣してすぐにできる、といったものではありません。何をやるにしても、簡単に成果を出すことはできません。だからといって、最初に書いたような、従来と同じことをやっていてはジリ貧になるだけです。
JAGATが言うIT化、デジタルネットワーク化は、以下のようなことを実現することによって、売上、利益率を向上させるものです。
・従来にない顧客満足策の実行
・新しいビジネスモデル構築
・各種管理業務の合理化
・緻密な経営の実践
・従来にない生産の自動化
具体的には以下のようなものです。
○事例2
年間35000件の納品について、従来、営業マンそれぞれが担当の1アイテム毎に配車手配をしていたものを、受注No、出発時間、納品時間を入力すると、出発点と納品場所を全て「シミュレーション」して、場所の近いところを自動的にグループ化する。出された結果としての配車情報をインターネットで運送会社に配信する。このことによって、年間の対売上配送費比率を3%近く削減した。
○事例3
経営管理に必要な情報を、いつでもどこでも自由に引き出して使えるようにすることによって、例えば、「サンクスコストを確保できるぎりぎりの値段はいくらか」といった判断を、その日のうちに数字的根拠に基づいて行う」ということができ、その上実質的に管理人員を5名分削減、さらに刷り直しによる損失をほぼゼロにした。
いかがでしょうか?これが、スリムでもパワーのある会社の仕事のやり方です。
「IT化」というと、経営管理のコンピュータシステム(MIS)を思い浮かべる印刷企業も多いでしょう。その場合、上記の事例のようなことを考える会社はほとんどありません。多くの会社は、販売管理、原価管理、在庫管理といった「○○管理」をするための道具がMISだと考えるからです。そのようなことだけを考えて、いままでのシステムを再構築するならば、さしたるコストダウン効果はもちろん、顧客満足の向上なども全く期待できません。
(2008年1月)
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2008/02/01 00:00:00