音楽の聴かれ方がまた大きく変わり始めている。
アルバムという1つのまとまったパッケージ単位で聴かれることが少なくなり、1曲単位で、それもダウンロードした楽曲をシャッフルしながら聴く形もごく自然のものとなりつつある。
それは音楽がデジタル化されたからこそ可能になったことである。
文章表現もWebで読み書きする時代を迎え、長大な文章を逐一丹念に読み進めていく読み方から、斜め読み、抜き読みをしながら、貼られたリンクの先へどんどん飛んでいく読み方が当たり前となり、そういう読み方を前提にしたブログや掲示板が当たり前のものとなってきている。
動画も数分間のさわりの断片がネットに集積されるようになり、何十分何時間同じ作品に向き合って全体を見ないでも、おおよそ掴んでそれで満足できるようになってきている。
作家が構想した世界観に、時間をかけて同調しながら、ストーリーや展開や構成を味わっていくというそもそもあった作品の楽しみ方が変質してゆき、イントロやサビや、起や承や転や結を、それぞれ独立した断片として読み聞きするような接し方が日常化をはじめている。
そういう中から、歴史に残るような作品ではないかもしれないが、いま・この瞬間にとても心地いい、ピンポイントで感動でき、しかも簡単にその世界に入れるサンプリング・ミュージック、サンプリング・ノベルズ、サンプリング・ムービーとでも呼べるような新しいタイプの作品が多く生まれ始めている。
それは上記のような関わり方でコンテンツに接する、作者と視聴者の相互の中で自然に産み落とされた作品と言えるかもしれない。
しかしこの接し方の変容は、コンテンツのみならず、消費行動の中にも歴然と現れている。そしてそれがビジネスのスタイルに大きな変化を及ぼしている。
野村総研・上級コンサルタントの塩崎潤一氏(消費者マーケティング研究チーム)は著書『大衆化するIT消費』(2007年東洋経済新報社刊)の中で、IT、特にブロードバンドが一般消費者に浸透をしたとき、従来とは異なる、新しい消費のスタイルが生まれたとし、そのパターンを10のスタイルとして示した。
・認知→探索→購入が同時に起こる「マルチウィンドウ消費」
・欲しいモノが出てくるまで待つ「アラート消費」
・徹底検索した後に「お試し」で納得「テイスティング消費」
・自分で欲しいものは自分で作る「オーダーメード消費」
・死に筋商品がネット上で生き残る「ロングテール消費」
・突発的に消費量が拡大する「スパイク消費」
・商品の普及が急速に立ち上がる「スカイロケット消費」
・高くても好きなものには金を出す「一点豪華消費」
・必要なければリサイクルに回す「使い回し消費」
・多くの情報から自分で判断する「自己責任消費」
の10パターンである。
ここでは詳細を述べきれないが、コンテンツへの接し方、Webビジネスへの接し方(消費スタイルの変容)のポイントを把握し、そのポイントをあやまたない形で押えることが、ビジネスの成功をもたらす最短の途となるのだろう。
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2月6日開催のPAGE基調講演トラックの「ビジネスセッション」B1、B2では、Webビジネスの重点ポイントを2つの観点から、一望できるように構成した。
ひとつは、テキスト系サイトと動画系サイト。既存メディア系サイトとベンチャーメディア系サイト。これらの対比をコンテンツの観点から行ないながら、2008年のマーケティング動向を見晴らしていくことになる。
■PAGE基調講演B1「Webマーケティング2008――コンテンツ活用の現在〜未来」
2008年2月6日(水)13:00-15:00
・モデレータ=ネットレイティングス株式会社 代表取締役社長 萩原雅之
・スピーカー=作家2.0・ITライター 大村あつし/Kanda News Network,Inc 代表取締役 神田敏晶
二つめは、生活者(エンドユーザー)の新しい消費スタイルとWebビジネスの提供者を対比させながら、そのマッチングポイントを探る。すなわち、消費行動と、それに対応した販促・販売行動の両面から、IT、Web上のビジネス構築・運用の成功の法則を見出していくことになる。
■PAGE基調講演B2「IT化が生んだ日本人の新しい消費スタイル――Webビジネス成功の方程式」
2008年2月6日(水)16:00-18:00
・モデレータ=株式会社野村総合研究所 サービス事業コンサルティング部 上級コンサルタント 塩崎潤一
・スピーカー=株式会社カカクコム取締役COO 安田幹広/株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 CEO 吉松徹郎
[2008年1月]
2008/01/31 00:00:00