主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2007年9月、10月の景況報告。

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市場動向

9月、10月の書籍雑誌推定販売金額前年比は、それぞれ△8.6、2.8％と大きく揺れた。プラス、マイナスともに稼働日が影響しているというが、基本的には書籍では廉価本は売れるがそれ以外の核になる売れ筋が乏しいこと、雑誌も継続的に部数を伸ばす雑誌が見当たらないことなど、市場そのものが振るわないことが問題である。1〜10月の書籍雑誌推定販売金額累計前年比は、書籍が△3.2％、雑誌が△3.0％、書籍雑誌合計は△3.1％で、2007年の年間実績もこの前後で落ち着くようだ。

広告業の売り上げは、9月が2.6％増、10月が0.4％増で、7月以降、4ヶ月連続で前年を上回った。7月、8月に前年比プラスで推移したマス4媒体は、9月、10月は再びマイナス成長に戻った。SP関係では、折り込み広告が9月の前年比2.5％増に対して10月は△6.0％と大きく落ち込んだ。好調だった交通広告も10月は△3.4％に終わった。屋外広告は良かったが、前年の水準の低さが要因である。インターネット広告は9月が22.5％増、10月が37.7％で、伸び率の鈍化は見られない。

仕事の状況

一般インキの出荷販売量前年比は、9月、10月で大きく振れた。前者は△3.2％、後者は4.1％増である。シェア1位の平版インキの前年比は9月が0.3％増に対して10月は5.1％増、2位のグラビアインキも、9月の△4.1％に対して10月は3.2％増と上下した。樹脂凸版インキも、一進一退の推移の中で、9月が△2.3％に対して10月は7.5％増と大きく振れた。中小印刷企業にとっては、平版インキが4ヶ月連続で前年を上回っていることが救いだ。

印刷・情報用紙の出荷販売量前年比も、印刷インキと同様に、9月、10月は大きく振れた。9月の△0.7％に対して10月は3.4％増になった。非塗工紙の落ち込み幅の大きな変化（9月：△8.5％、10月：△2.9％）と塗工紙の伸び幅の変化（9月：0.3％増、10月：3.3％増）によるものである。非塗工紙では上級紙の変化が大きく、塗工紙ではアート紙、コート紙の変化が利いている。10月の微塗工紙の前年比は12.9％増で、9月の8.1％増に次いで大きく伸びた。

（「JAGAT　info 2008年2月号」より）

2008/03/11 00:00:00