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XML化に取り組む出版社とサポートする印刷会社電子辞書の急速な普及や小説やコミックの電子配信サービスの急成長など、出版分野におけるWebやデジタルメディア利用が本格化しつつある。印刷物製作と同時にWeb・携帯サイト配信や電子書籍製作を行うには、XML形式でのコンテンツ保管とパブリッシングが有効である。 PAGE2008「出版分野のXML活用」セッションでは、コンテンツのXML化に取り組む出版社の立場、およびそれをサポートする印刷会社の立場から、今後の展開と課題について議論をおこなった。
■書籍製造における「XML直しシステム」の開発 凸版印刷株式会社 ソリューション開発部 課長 田原 恭二 氏 凸版印刷は、Adobe InDesignに独自の組版プラグインを搭載したバッチ型自動組版システム(次世代DTPシステム)を開発し、2006年から稼動している。特徴の1つにXML活用によるクロスメディア対応がある。
InDesignドキュメントから、オリジナルスキーマによるXML書き出しをおこなう。
しかし、赤字修正は通常のDTPと同様にオペレータが画面で組版データを確認しながらやっており、ボトルネックとなっていた。サイクルの短い週刊誌や月刊誌では、人海戦術での修正が必要となる。
■図書印刷におけるクロスメディア展開 図書印刷株式会社 デジタルビジネス開発本部 宮本 崇 氏 図書印刷でも、書籍のデータからさまざまな電子媒体・電子辞書などへデータ変換する業務をおこなっている。
見出し項目が5万件、1,000ページ程度の国語辞典から、電子辞書用データを出版社に納める業務があった。
書籍のデータそのものを、アプリケーションにした事例がある。行政省庁の告示を収集したデータがあり、パソコン上でキーワード入力すると、該当する告示を表示するというアプリケーションである。 今後の課題として、コンテンツを迅速にWebやさまざまなデジタルメディアに対応させることが求められている。そのためには、コンテンツ部分だけを抽出し、一元管理できる仕組みが必要である。
■XML法令自動更新システムの構築 新日本法規出版株式会社 データ管理局 副部長 山田 祐司 氏
新日本法規出版は法律関係の書籍がメインの出版社であり、法令改正や法令にしたがって書籍の内容を更新している。 2001年頃、現在の独立行政法人国立印刷局が官報情報サービスというサイトを立ち上げ、官報のデータをHTMLで表示し、閲覧できるようにした。そのデータを使って法令改正を自動処理できないだろうかと考え、共同印刷に開発を依頼した。
現在、法令自動更新システムとデータベースを構築している。法令の更新データを蓄積し、ある時点で施行される法令の内容を抽出することができる。 今後は、法令データだけでなく告示や通達・通知についても、同様な仕組みやサービス提供を実現したい。また、法令以外の一般書籍のXMLデータ化も実現したい。
■印刷会社におけるXMLの取り組み 共同印刷株式会社 中部事業部 システム企画課 課長 藤森 良成 氏
法律の場合、例えば道路交通法の一部を改正する法律というのが出る。1年ほどして、また道路交通法の一部を改正する法律が出る。しかし、法律には公布日と施行日というものがあり、必ずしも、出た順に有効になるとは限らない。
法令自動更新システムを構築する上で留意した点として、以下の3点が挙げられる。
印刷会社はCTSなどでパンチ入力の経験があり、XMLも得意としている。XMLの変換など、SIベンダーでは対応できない知識や経験がある。
最後に、パネラー相互によるディスカッションをおこなった
「今後のコンテンツ管理は、XMLで大丈夫なのか?」
「RDBとXMLデータベースの違い、棲み分けはどうなるか?」
「本と同時に電子ブックを発売したい、という話が増えている。印刷会社の対応策は?」 出版分野では、大手印刷が出版社をサポートするために、コンテンツのXML化、XMLから印刷物製作およびWebやデジタルメディア制作を着実に実現していることがうかがえた。現状では出版物の電子化が急速に進展しており、今後もこの方向で進んでいくことが予想される。
(JAGAT 研究調査部 副参事 千葉 弘幸) (2008年3月) グラフィックストラック報告 |