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アカデミック・ロードマップ〜技術開発の方向〜

応用物理学会では機関誌「応用物理」の創刊75周年記念事業として「応用物理分野のアカデミック・ロードマップ」の作成を2006年10月から開始していた。昨年春に一部を公表していたが、本年1月に最終報告を行い、先週28日の春季講演会にて詳細内容が公表された。昨年末の記事 「プリンタブル・エレクトロニクスへ」にて一部内容を紹介したが、ここでは28日に発表された内容、印刷業界に関係する項目を紹介する。


イ)マップの位置付け

今回のロードマップは今後30年先までを検討したもので、応用技術分野を19の要素技術クラスターに分け将来ビジョンマップとしてまとめられている。なお経済産業省では10年先を考えた「技術戦略マップ」を毎年作成しており、最新版が4月に公開されるとの事である。従来のイノベーションは「Technology to Products」という流れで考えられていたが、今回は「Sience to Service」とされ、「Sience-Technology-Business-Products-Service 」という一連の流れの中でより上流側と下流側に配慮されている事が大きな特色である。一般企業の経営計画における技術戦略は通常5年以内程度の期間を対象としている事と前記変更を併せて考えると、今回の「アカデミー・ロードマップ」は、前記「技術戦略マップ」と併せ、産学官の連携を推進するためのコミュニケーションツールとしての役割を担っているともいえる。また現在の日本の経済・財政状況から、単に基礎研究を行うのではなく、「目的基礎研究」を目指したマップともいえる。

ロ)印刷業界との関係

・前出の「プリンタブル・エレクトロニクスへ」の記事では個別に有機トランジスタやプリンタブルデバイス等について触れたが、今回のマップでは技術クラスター「有機・分子エレクトロニクス」にて詳細が公表されている。ユビキタスエレクトロニクス時代に必要な大面積のシートデバイスを実現する技術として印刷技術が考えられている。マップでは2015年前後に40インチ程度の大型有機ディスプレイや有機EL白色照明が実現されるという予想になっており、これを具現化する技術として環境に対し低負荷の印刷技術をベースとした'Wet'プロセスが期待されているのである。詳細マップの一部は応用物理学会のホームページにて掲載されておりここにてご確認下さい。

・なお他に有機太陽電池が2020年前後に予想されており、安定かつ大量に生産する技術として印刷技術の使用が考えられている。

・一方、画像形成に関して、微小ミラー系やIJヘッド加工にMEMS技術が使用されている。MEMS技術は加速度等、各種センサーへの応用が現在主に進んでいるが、今後は「環境、エレルギー分野」(燃料電池、環境センサー等)や「バイオ・医療分野」(バイオセンサー、医療用デバイス等)へと多種多様な技術開拓が進むと予想されている。なお、本アカデミック・ロードマップでは、「集積」という点がシリコン技術の本質であると考えており、この点で今後も'C−MOS'がシリコン技術の核となると判断している。このC−MOS技術が、バイオ、分子(モレキュラー)、新機能性材料と技術的に融合し、大きなイノベーションを実現してゆくとの予想である。なお上記同様にシリコン技術のマップについてはここをご参照下さい。

以上、紙に刷るという視点から、パターン記録、塗布という視点に切り替える事で新しい分野が見えてくる。上記「アカデミック・ロードマップ」、また4月に発表予定の「技術戦略マップ」と併せ、技術開発の方向性を再検証してみる参考としていただければ幸いである。

以上

(2008年4月 印刷技術協会 松縄正彦)

2008/04/01 00:00:00


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