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InDesignでのグループワークとスクリプト活用

THINKSNEOは少人数のデザイン会社で、月刊のゲーム雑誌とゲーム攻略書籍のエディトリアルデザインをおこなっている。InDesignおよびスクリプトを使用して、編集制作の効率化を図っている。テキスト&グラフィックス研究会では、グループワークとスクリプトによる編集制作効率化について、同社代表取締役の大里浩二氏に話を伺った。

InDesignの機能を活用

InDesignには、効率よくスピーディに仕事をするための機能がたくさんある。レイヤー機能でテキスト等を分けることで、込入ったレイアウトでも効率的に作業することができる。例えば、テキストを一番上にし、次に画面写真やキャラクターとする。テキストだけを修正するときは、テキストのレイヤーだけを表示して仕事をするため、早く作業することができる。

また、誤植があって修正が発生した場合、そのパーツだけを渡したいということがある。そういうときに便利なのがスニペットである。作ったパーツを選択してデスクトップに置くだけで、スニペットというファイルができ上がる。これをメールやサーバ経由で編集者に渡す。相手の設定が、「元の位置に配置」となっていれば、スニペットファイルを開き、クリックするだけでデザイナが指定した位置に配置される。

オリジナルスクリプトによる自動処理

InDesignにはスクリプトという機能があり、自分で書いたスクリプトを読み込ませて自動処理することができる。また、1から書くことはできなくとも、改造することはできる。例えば、画像ボックスに対して画像を合わせるスクリプトがある。元のスクリプトは、画像ボックスに対して常に105%にする設定になっていた。それを150%に変更することは、スクリプトの知識が少なくても可能である。

スクリプトによる自動レイアウト

カードゲームの攻略本を作るとき、何百枚もカードがあるため、これを一気にレイアウトするスクリプトを作った。カード毎の全情報をExcelデータとして支給してもらう。画像のファイル名も入れてもらう。

通常の作業なら、コピー&ペーストを繰り返すか、タグを付けるか、自分でXMLを書くかである。このスクリプトを使えば、全部自動で流し込むことができる。画像は、指定されたファイル名のものが正確にレイアウトされる。テキストがオーバーフローするような場合、自動的に長体がかけられる。長体の設定は、最大80%までにするとかも設定しておく。または、文字詰めの機能を20%まで許容するなども、設定できる。コピー&ペーストは、手作業であるため、1行ずれる可能性もあるし、間違いやすい。画像がそっくりであると、確認もたいへんである。しかし、スクリプトを使えば、元のExcelが間違っていない限り、間違いなく全部流し込める。

(この続きはJagat Info 2008年3月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報誌 Text & Graphics No.264に掲載)

(2008年4月)

2008/04/19 00:00:00


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