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印刷関連市場、資材統計から見る景況

主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2008年2月の景況報告。


市場動向

2 月の書籍雑誌推定販売金額前年比は0.0%の前年比横ばいであった。うるう年のために稼働日が1日多いことによる効果と見られる。書籍(0.6%増)、雑誌(△0.5%)ともに前年並みである。 書籍の売れ筋は新書のみで、他はヒット商品が乏しく2月のプラスは一時的現象という(出版月報2008年2月号)。返品率は36.7%で、前年を1.5ポイント上回った。雑誌は、月刊誌が△2.9%、週刊誌は△3.0%と両者同程度の前年割れになった。返品率前年比も両者同じ1.0ポイント増である。

2月の広告業の売り上げ前年比は1月の△3.4 %から大きく反転、5.3%増になった。新聞は0.2%増だったが、テレビが4.8%増と大きき伸び、マス4媒体全体で3.1%増と伸びたからである。マス4媒体では雑誌が1.3%増と順調だったが、ラジオは唯一マイナスの△5.5%であった。SP広告は昨年暮れからひとつの傾向が定着した。それは屋外広告が大きく減少し、折込・ダイレクトメールも前年割れが続いていることである。2月も、前者は△9.2%、後者は△0.5%であった。

仕事の状況

2月の一般インキの出荷販売量前年比は5.6%増、5ヶ月連続で前年を上回った。紙の動きと同様に、ほぼ横ばいだった12月から1月は順調に伸び(2.7%増)、2月はそれを上回って伸びた。主役の平版インキ、グラビアインキの動きが同期しての動きである。ちなみに、平版インキの前年比は、12月が0.1%増、1月1.6%増、2月は4.7%増であった。この動きは「月次印刷業界動向」における全体売上高と連動している。したがって、実態に即した動きと見て良いであろう。

2月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は6.4%増で、1月の2.5%増に続く大きな伸びであった。次の大幅な値上げニュースを受けての動きなのだろうか?ここのところ連続で前年を下回っていた非塗工紙の前年比も1.6%増で、昨年末(△12.5%)に比べると異常な伸びである。塗工紙は4種全てが前年を上回る5.8%増、微塗工紙は22.2%増と異常に伸びた。インキの項で触れたように実態としての動きもあるが、通常とは異なる要因がプラスαになっていると考えざるを得ない。

(「JAGAT info 2008nen 6月号」より)

2008/06/22 00:00:00


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