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情報流通が先か、法律が先か‥

子供がクリスマスで劇をする時にBGMの制作を引き受けたことがあって、劇の練習の段階からBGMを目安にタイミングをとりながら進めるようなことをした。そのために参加者全員に事前にBGMをCD-Rを焼いて渡しておいて台詞の演習をした。市販の音楽のCDから選曲してCD-Rにして配るわけにはいかないので、ネットでクリスマスに関するクラッシックのフリー素材を探してみると、多くはmidiとかショボいものだが、質の高いものも探し回れば見つかり、30分くらいの立派な音楽CDができた。

曲は主に100〜300年は経った讃美歌の中でも定番化しているもので、そもそもフリーである。一方クリスマスにちなんだ歌は星の数ほどある。毎年11月になると欧米では新旧おびただしい楽曲・CD・レコードがクリスマス季節商品として発売される。しかし最近の曲は複雑にからみあった権利問題からフリーの素材のなるものは少ない。結局音楽はどれだけ歌い継がれるかで生き残りが決まるもので、作曲して金庫にしまっておいてたのでは評価はされない。だから新しい曲ほど人目につかなければならないのでフリー化したい要望は根底にはある。

本来作曲家や演奏家はまず聞いてもらわないことには始まらないはずなのに、円盤をプレスする業者を過剰に擁護するのは不思議である。権利者は流通業者よりも強い立場であって、流通におけるメディアの戦いに直接は関係していないものの、旧メディアを守る代理戦争の矢面に立たされている。言葉を替えると「乗せられている」といえる。しかしヒット曲のかなりの部分は新人が担うというのも音楽の特徴であって、若い世代が代理戦争に巻き込まれないなら世の中は変わっていくだろう。

第2次大戦前の日本は西洋音楽への馴染みが限定されていたが、今日では小さい子供の頃から情操教育の意味もあってか多くの人が音楽教養をつけてきた。しかしそれを表現する場はまだ非常に限られていた。そういった背景があって初音ミク(ボーカロイド)のヒットがあったのだろう。つまり自分の作った曲あるいはアレンジした曲を歌ってくれるロボットがあって始めて曲を人に聞かせることができた。CDを売ることだけが音楽の世界ではなく、むしろ仲間うちや地域イベントその他いろいろなところで音楽が発生する時代になるだろう。

クロスメディア研究会会報229号より)

2008/06/28 00:00:00


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