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各地の声(2008年5月)

いよいよ原油価格高騰が実体経済へ影響を及ぼし始めた。生活必需品の価格高騰、自動車販売の低迷、漁業の不採算化などが報じられている。印刷業界の受注件数も4月まで5ヵ月連続の前年割れと苦戦が続く。




茨城:商業
いよいよ印刷用紙の大幅値上げが実施されましたが、この状況下においても激しい価格競争が続いています。一部には売れている商品もあるようですが、食料品や原油の高騰により、一般的な消費への姿勢は消極的になっているようです。早く印刷料金が安定してくれると良いのですが。

東京:出版
ガソリン代が上がったためでしょうか、営業車に乗っていても都内の車の交通量がかなり減っているような気がします。買い控えに乗り控えで景気は大丈夫でしょうか。学校関係の仕事も夏休みを前にして、仕事が減ってきています。動きがあるといえば、法改正で設置が義務付けられた住宅用火災警報器関連の印刷製品が増えているようと聞きました。

長野:出版
用紙を値上げする話は先行しているのに、実際の価格の提示は明確なものがないので、かえって用紙の品薄の恐怖ばかりがつのります。

石川:商業
市場規模、売上高、販売(受注)単価の縮小や低下が顕著になってきた。公共工事の受注で成り立ってきた業者の倒産、廃業、自己破産も目立ちます。やはり業態変革でしょうか?

富山:紙器
一昨年からの断続的な洋紙・板紙価格の上昇によって、徐々に受注単価への転嫁が難しくなってきました。そのために相対的な変動費高になり、製造コストを吸収できなくなってきています。

大阪:パッケージ
例年、5月から夏にかけては仕事の少ない時期で、秋に向けた仕込みと位置付けています。

大阪:商業
JAGATの集計では大阪圏の売上高が4月まで3ヵ月連続で前年を上回っていますが、もっと大きくマイナスしているのが実感です。

岡山:商業
6月2日に岡山県が「財政危機宣言」を発表しました。後日の山陽新聞の報道によれば、「経費節減策の一環として、ポスターやパンフレットといった印刷物の作成を原則廃止する」ということです。このような「印刷物廃止や出張減で16億円節減」に取り組むという趣旨で、印刷会社にとっては大きな影響が見込まれます。県が始めると、各市にまで影響が及ぶのでは。国も赤字、地方も赤字…、いや、中央と地方の差は開いていくばかりの感があります。

広島:総合
景気は全然よくありません。そこへ来ていよいよ大幅な用紙代の値上げも受け入れざるを得なくなり、経営への影響はかなり大きくなりそうです。いよいよデジタル化へ向けたトライも始めとした試行錯誤に取り組み始めました。

(「2008年5月度 印刷業毎月観測アンケート」より)

2008/07/20 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会