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アセッツ管理とサーバ/データベースの仕組み PAGE2000より

PAGE2000では、デジタルコンテンツを扱う上でのデータ管理の仕組みやコンテンツを資産として運用管理するDAM(アセッツ管理)について2つのセッションをもった。
デジタルデータの利用を支援する仕組みをシステム化したものをアセッツ管理システムと呼ぶ。このようなシステムを考える事は,データの生成から消滅,または配布を含めどのような仕組みを利用するのかと言うことも重要な要素であり,他のサーバシステムへの応用の鍵にもなっていく。

サーバ/データベースの仕組み」(A5セッション)は,コンテンツなどを管理運用するための,基礎となるポイントについて取り上げた。今,データを管理運用するには,2つのポイントをどう処理していくのかと言う点が一番重要である。一つは,扱うデータがネットワーク上にあること。もう一つは,データが今までのような定型データのみではなく,ドキュメントや画像など非定形なデータをも扱う必要があることである。

モデレータであるサイトロック株式会社の佐々木雅志氏は,コンテンツ制作とかデータベースをどう考えるかのヒントとなる事例を2つ紹介した。一つは,株式会社フジミックの大坂哲司氏が,PDFフォームを用いたドキュメント管理,もう一つは,株式会社KDD研究所の高木悟氏がJaMaPSというXMLを用いた地図情報配信の仕組みについて話した。

ドキュメント管理という視点では,データの作成から承認,参照,終了というドキュメントのサイクルがあり,また承認があって参照があるというワークフローも必要である。これらをコントロールするために,PDFフォームを利用し,そしてデータはオブジェクト指向データベース上に格納する。ドキュメントには,親があれば関連する子のドキュメントもある。このようなドキュメントの流れにな対して,データの生成から管理運用を行う仕組みをPDFフォーム及びオブジェクト指向データベースという技術を利用して運用している。またさらによりデータの独立を保つためにXML技術を利用していくという話であった。

またJaPaPSとは,複数のコンテンツをWEBブラウザ上に重ね合わせるための,コンテンツ管理及び配信サービスを行うシステムの仕組みの話である。XMLを利用してシステム的にはJavaで書かれたシステムになっている。これは地図情報をグローバルな座標系でデータ管理され,またこの情報に重ね合わせる情報もグローバル座標系を持っている。このためこれらのデータがブラウザにより呼び出されるとXMLとJavaを用いてブラウザ画面上で合成される。利用には地図上にいろいろなお店の情報を上げるとか,また移動するものも表示が可能になるなどの応用ができる。
このシステムの特長は,データベース上のデータをXMLで管理され,座標やデータの意味をXMLで与えておき,対応する処理がJavaで書かれているため,このデータの処理を行えるという,データと処理手続きをカプセル化して閉じこめて利用してもらう。これはネットワーク上のブラウザでJavaが動くという環境とXMLというデータ形式を利用して配信サービスにしている。
今回の話に出てくるデータの流れ及びデータを処理し管理する仕組みというのは,このアプリケーションが利用できるかではなく,データ管理の仕組みのヒントとしてとらえて頂けるお話であった。

DAM・アセッツ管理」(A6セッション)は,技術要素よりはデジタルデータの用途によりどのようなアセッツ管理が求められるのかという視点で,凸版印刷株式会社のマルチメディア事業本部の高橋靖明様氏がモデレータになり行った。
パネラーには,放送系のデジタルアセッツを管理する仕組みを提供している,ソニー株式会社システムソリューション事業部の相川晃一氏が,今放送業界がどのような環境におかれており,今後どのような環境が必要かを話した。デジタルコンテンツの販売などを目的としたビジネスを展開を行っている株式会社イメージモールジャパンの秋田収氏はコンテンツ販売を行う上でのいろいろな課題について話した。最後にマルティメディア制作を行う上でのアセッツ管理を前提として,Quark Digital Media Systemのお話をクォークジャパン株式会社の浦吉修氏が話した。

放送業界に対するアセッツ管理を考える上では,検索などの機能も必要であるが,動画が持っている特徴として大容量のデータ配信と言う点で,ネットワークのブロードバンド化,ストレージ技術などの課題について,また現在各放送局などが持っているいる大量のVTRをどうシステムの中に取り組んでいくのかなど,これらからのデジタル化時代の放送局が目指すシステム化の話であった。

次にデジタルコンテンツビジネスを行う上での話としては,パッケージにしろ,ネットワークにしろデジタルコンテンツを販売する上で出てくるデジタルデータの権利の問題,それと配布技術として透かし技術など,デジタルコンテンツを販売する上で出てくる問題をどうシステムの中に取り入れていくのかなど,アセッツ管理のシステム要件の話であった。デジタルコンテンツビジネスでは,コンテンツを美しく見せる技術から配布,そして不正コピーを防ぐ権利などを統合して考えるという話であった。

マルチメディアデータの制作,とくにDTPなどのデータを作成する上でのアセッツ管理をどう考えるのかについて,QuarkExpressを使ってデザイン編集する上でアセッツ管理を支援するシステムとしてQuark Digital Media Systemの話があった。この場合の特長は,今までの制作の流れをそのままにして,担当する人々が意識しなくてもデータが管理されていく仕組みの話であった。
このような話から出てくることは,それぞれの目的や用途に応じてデータの生成から管理,配布を構築する利用者側の能力がこれらアセッツ管理のシステムのポイントである。


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2000/03/28 00:00:00


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