インターネット広告の市場が日米で急成長している。電通の発表によると、日本の1999年度のインターネット広告費は、前年の2倍である241億円にものぼる。約6兆円といわれる広告費全体からみると市場は小さいが、新聞やテレビなど既存メディアの広告費が減少する中では非常に検討している。今後もこの伸びは続き、ラジオの広告市場と同じレベルにまでいくともいわれている。
また、米Internet Advertisign Bureau(IAB)の発表によると、1999年のインターネット広告費は前年から141%増加して46億2000万ドルに達し、やはり大きな伸びをみせている。広告の分野別シェアは、消費者関連が30%、金融サービスが19%、コンピュータが19%、ニューメディアが6%、企業向けサービスが7%であった。広告の分野別では引き続きバナー広告が56%とトップで、スポンサーシップが27%、電子メールが2%であったという。
ニューヨークの電子商取引市場調査会社Myers Groupは、オンライン広告市場は2005年には455億ドルに拡大し、将来的にはテレビよりもインターネットに広告宣伝費が使われるようになると予測している。
新たなネット広告
日本でも、ネット広告を有力な販促ツールとして、積極的に導入するメーカーが増えている。
これにともない、これまでWebのバナー広告やメールマガジンに掲載するメール広告が中心であったネット広告には、新たな広告形式が登場してきている。バナー広告のような画像ではなくユニークな文面で興味をひかせる「テキスト広告」や、ユーザから自発的な許可を得た上で電子メールの配信を行う「オプトインメール広告」、Webどうしでバナーをはりあって集客力を高める「アフィリエイト・プログラム」などが普及しつつある。オプトインメールの場合はすでにユーザが自分の情報を登録しているため、よりターゲットを絞った広告効果が期待されている。
Yahoo!JAPANやgooのような検索サイトでは、指定したキーワードの検索結果のページに表示するキーワードの買いきり広告なども提供している。
電子メールソフトと広告を連動させるというビジネスも近く開始される。4月、KDDと米クアルコム、クリニサーチインターナショナルは、電子メールソフト「Eudora」を利用したネット広告配信で提携するという発表をした。ユーザがメールの送受信を行う際に、広告配信サーバから広告画像が配信され、Eudora上に表示されるという仕組みで、6月に予定される製品版の配布にあわせて正式スタートする予定だという。クアルコムは、2000万人のユーザをもつEudoraに広告媒体としての期待をよせている。
また、2月にサービスを開始したサイバーコムは、広告オークションを提供する。媒体側が広告の種類や位置、希望価格などを表示し、広告主が競り落とす仕組みになっている。
バリュークリックジャパンは、iモードへのネット広告も開始し、携帯電話も新たな広告メディアとして立ちあがりはじめている。
課題
ネット広告の中でも、電子メールはパーソナルで、コストもかからない広告メディアとして注目されている。その一方で、アメリカでは電子メールを使った宣伝手段として、友人からの紹介メールがスパムメールのように次々に届くという問題もでてきている。例えば、小売サイトなどの「友人に教えてあげよう」メールで、キャンペーンなどを他人に知らせると、ユーザが何らかの特典を受けられるようになっているという仕組みが流行っている。しかし、1人だけでなく、何人もの友人のメールアドレスを登録するようにうながすキャンペーンも登場し、プライバシーなどについて問題視されている。
オプトインメールについても、登録していないトピックのメールが届くなど、配信側はユーザが許可した範囲をゆがんだ形で使おうとする企業が多くなっているという。
また、日本で初めてクリック保障型広告サービスを開始したバリュークリックジャパンは、3月いっぱいでクリック保障型電子メール広告の取り扱いから撤退すると発表した。広告を掲載するようなフリーの電子メールマガジンの将来性に対してあまり明るい見通しをたてていないことや、クリック率を高めるためには営業努力よりはメールマガジンの発行部数に大きく依存するということで、広告効果についてもターニングポイントにきているようだ。
一方的に情報を流すだけのCMに比べ、ネット広告はアクションをおこしたユーザを集めることができるという点に企業は魅力を感じ始めている。それだけに、多様化するネット広告に対し、広告主側は商品やビジネスにあわせ広告形態を選び、認知を高めるとともにイメージを向上させるような宣伝を実現するように、検討することが今後ますます必要となってくるだろう。
(通信&メディア研究会)
参考:通信&メディア研究会主催techセミナー 新たなビジネスモデルを構築するインターネット
2000/04/29 00:00:00