本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

Webが変えるカタログ・チラシの需要と制作

情報化・デジタル化の進展はビジネス環境を大きく変化させています。
 特にネットワークは,もはやビジネスインフラとして不可欠なものとなりつつあります。これに伴って,印刷物の受・発注環境にも変化をもたらしています。また,メディアとしての印刷物の存在自体にも影響を与えています。
 プリンターズサークル9月号ではWebを利用したカタログ・チラシ制作の事例を紹介し,これらの変化に対して,いかに印刷業界は対応していかなければならないのかを探る特集を組んでいます。(編集部)


Part1

WEB-EDIによるチラシ制作の改革と
受・発注方法の変化

株式会社ダイエー システム企画室 マーケティング改革企画チーム
チームリーダー 太田和宏氏


Web色校正をきっかけにチラシ制作のローコスト化

 WEB-EDIとは,情報ネットワークを張り巡らせ,エレクトロニックデータインターチェンジ,すなわちデジタルでデータ交換を行い,さまざまな作業の改革をしていこうとする当社の取り組みである。この考えの……

販売促進部が各地に基本ガイドラインを提示

 当社が採用した業務フローはWebで入力し,同時に画像も決めて,それをテキストデータとしてFTPで取引先に電送するものである。
ただし,画像に関しては,B3のチラシの場合には両面を合わせると100点を超えてしまう。それをFTP伝送すると,データがかなり重くなる。そこで,……

ホームページ会員あてにワンtoワンのチラシメールを構想中

 当社にはホームページ会員がいて,いろいろなデータを会員のDBにしている。例えば趣味,家族構成,どこの店に買い物に行くのかなどのデータである。
これらのデータをもとに,店舗DB,イベントDBなどから,会員向けにチラシのメールを……


Part2

建材商品を電子カタログ化,Webを利用して商品検索

 建材業界では,社団法人日本建材産業協会が中心になり,建材商品の電子カタログ化を推進している。
このシステムは,インターネットを使用して商品検索を行うものであり,ユーザである設計事務所や建設会社に,建材メーカーの各種商品情報を横断的に提供し,双方の総合的な合理化を目指すものである。この電子カタログ化により……

重くのしかかるカタログ制作費

 メーカーを超えた建材カタログの電子化をすることで,さまざまなメリットが期待されている。
 「KISSは総合カタログの段階的な廃止を目指すとともに,ユーザの利便性の向上,作業のスピードアップとコストコントロール対応,メーカーのビジネスチャンス拡大と,市場経済での新しい商流への対応を目的としています。また,理念としては,建材設備産業に関わるすべての企業が参加できる公共性,公平性,解放性を目指しています。このシステムに参加することによって,大手企業だけではなく,地方のユーザや中小のメーカーも利用できます。また,海外企業へも門戸を解放します」((社)日本建材産業協会 建材産業情報化事業事務局)
 現在,ユーザは分厚い商品カタログを使用している。メーカーによっては何冊かに分かれていて,相当なページ数になる。その上,このカタログの更新は……

トータルな視点で顧客の情報発信のサポートを

 このような電子カタログ化で,紙の印刷需要が減るケースに対して,印刷会社はいかに対応すべきか。
本誌で「デジタル営業見聞録」の連載執筆をお願いしているソリューションビジネスに精通した浅井豊彦氏は,次のように語る。
 「自社で,デジタル環境が整っていないような中小メーカーに対しては,ドメインの取得,データベース,サーバの管理など,すべて一括してサポートするという提案もあるでしょう。カタログもWebもPDFも,クライアントの情報発信媒体であることに変わりはないわけです。重要なのは,印刷物の受注をどうするかという視点だけではなく,それらをどうサポートするのかというトータルな視点です。
 特に中小メーカーの場合は,デジタルメディアでの情報発信を相談できる相手が,印刷会社以外に…… 

(詳しい内容はプリンターズサークル9月号の記事をご覧ください)

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1999/08/30 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会