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印刷物の作り方から,印刷のトラブル,印刷関連団体・企業に関連して頻繁にJAGATにお問い合わせをいただく質問とその回答を紹介しています.


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Q証券の印刷物でいつ印刷されたものか調べたいのですが、用紙からそうようなことがわかるのでしょうか。
A 用紙からは判断できないと思います。 通常、書籍印刷ですと奥付のところに印刷年月日が記されているし、帳票関係のものでも帳票の隅の部分に小さく印行名が記されているものがあり、それによっていつその印刷物が印刷されたかを解るようにしています。
 用紙はその保存状態の善し悪しによっても劣化速度が違いますので、用紙からその印刷物の古い新しいを判断するのはできないと思います。


Q二次元バーコードとはどういうものですか。
Aバーコードシンボルキャラクタを直線的に並べて情報化しているのが一次元コードと呼んでいます。これに対し、シンボルキャラクタまたはそれに相当する情報単位を縦横に配置したシンボルを二次元コードまたは、二次元バーコードと言います。
 二次元バーコードには、バーコードを積み重ねたようなスタック型の二次元コードと碁盤の上に石を並べたようなマトリックス型の二次元コードがあります。 二次元コードは、最大情報量が約1KBあり、英数字なら約2000字、数字なら約3000桁までエンコードすることができます。
また、情報化密度が非常に高くバーコードに比べ10倍から100倍ありますので、数ミリ四方の極小シンボルも作成できます。更に、仮名や漢字、図形、バイナリーコードもエンコードできるため、ICカードやフロッピーディスクのような汎用的な情報媒体としても利用でき、紙をベースとしているため低価格です。
 二次元コードは、シンボルの基本単位であるバーやセルがバーコードに比べ非常に小さいことから、汚れや傷の影響を受けやすいです。そこで近代的な二次元バーコードは、障害により読めなくなったデータや誤って読み取ったデータを元の正しいデータに復元する誤り訂正機能を備えています。
この誤り訂正レベルは、エンコードするときに任意に設定することができ、大きく設定すれば、シンボルの半分以上が障害を受けても正しく読み取ることができます。
  日本工業出版梶u知っておきたいバーコード二次元バーコードの知識(P5〜6)」より


Qワラを原料とした用紙について教えてください。
A基本的には、木材パルプを原料とした用紙が流通していますが、それ以外から製造されるパルプを非木材パルプといっています。現在の技術レベルでは植物繊維ならばどんなものからでも用紙をつくることができるのだそうです。バナナの葉からさつま芋のつる、海藻にいたるまでいろんな植物繊維を原料として実際に用紙がつくられている実績があります。(実用品として流通しているか否かはわかりません。)この中で、ワラを原料とした用紙もあるということです。この紙をワラ半紙といっています。
一般の消費者は、ワラ半紙のもつ質感に魅力を感じ、パンフや案内状に使いたいが手に入らないか、という問い合わせが紙商社に入るそうです。
しかし、先進国では殆ど使われていません。わが国では非木材パルプを原料とする用紙はわずか0.2%です。その理由は、集荷するのが難しく、腐りやすく、かさばるため貯蔵運搬が困難など木材に比べコストが高くつくことになるからです。したがって、非木材パルプは一般用紙向けには流通していないということです。
これに対し途上国では約半分ぐらいの割合で非木材パルプが使われています。その理由として、まず木材資源がすくないことと、竹やワラといったものが簡単に手にはいるといった事情があるようです。


Q商品などにつけるバーコードナンバーの最初の「49」というのは日本国籍を表すことは判りますが、その後の数字の意味とナンバーの申請先を教えてください。
A商品につけるナンバーは、JAN(Japan Article Number)コードとして規格化されております。JANコードは、日本における流通統一シンボルで流通情報システムの重要な基盤をなしています。
JANコードは、13桁の標準バージョンと8桁の短縮バージョンがあります。通常は標準バージョンを使用しますが、小さい商品で印刷スペースを広くとれないときに短縮バージョンを使用します。いずれのバージョンも2桁のフラッグ(国ナンバー)とメーカーコードと商品コードとチェックデジットで構成されています。
2000年12月までは、標準タイプの13桁のうち最初の2桁が国コード、次の5桁がメーカーコード、その次の5桁が商品コード、最後の1桁がチェックデジットとなっていました。この中で国コードとメーカーコードを合わせた7桁をJANメーカコードといっていました。
しかし、日本のフラッグは「49」でしたが、「49〜」というナンバーそのものを使い果たしており2001年1月から日本は「45」になっております。
また、この桁分けの中でメーカーの商品が1000種類以上の企業はごく少なく、商品コードを5桁とる必要等もないと判断され、商品コードが3桁となりました。
2001年1月からは、JANメーカコード13桁、商品コード3桁、チェックデジット1桁となっています。もちろん日本の国コードは「45」です。
ごくわずかではありますが、商品の種類が1000を超える場合は、その企業にJANメーカコードを2つ与えて対応しています。

商品コードの詳しい問い合わせ、申請については「財団法人流通システム開発センター」で受け付けています。
     http://www.iijnet.or.jp/dsri-dcc/
        TEL 03-5414-8511


Q四六判・菊判の語源を教えてください。
A
四六判
 江戸時代以前から半紙は多くの人々に親しまれていましたが、その寸法は約1尺1寸×8寸(333mm×242mm)でした。しかし、大名の中には一般に使われているものより、やや大きめの半紙を作らせていたところもあり、特に尾張家の美濃で漉かせた紙は、1尺3寸×9寸(393mm×273mm)で有名でした。これが、明治維新になって全国的に流通し、美濃判ブームを起こし、日本在来の標準判となり四六判の原点になったといわれています。
 明治になり、用紙が輸入されるようになりましたが、その中でイギリスから輸入されたクラウン判の変形(31インチ×43インチ):787mm×1092mmが、ちょうど美濃判のちょうど8倍の大きさ(2尺6寸×3尺6寸):788mm×1091mmだったことから重宝され“大八つ判”と呼ばれて普及しました。
印刷術が一般化されるにつれて、この大八つ判が多くの出版物にも用いられるようになったが、32面に断裁して化粧断ちすると、ちょうど横4寸×縦6寸の書物になったことから、いつしか大八つ判が四六判と呼ばれるようになりました。
菊判
 新聞印刷用には、明治10年代前半頃まで、ドイツから輸入された紙(700mm×1000mm)の四つ切が使われていました。この紙の寸法が2尺3寸×3尺3寸で日本古来の半紙(1尺1寸×8寸'の8倍に'当するので、大八つ判に対応して、最初は“半紙八つ判”と呼ばれていました。これも尺寸法にお下1桁に3が重なることからも、いつしか三三判と呼ばれるようになりました。
 明治の中頃になると、新聞記事も次第に豊富になり、紙面の大きさが三三判の四つ切では満足できなくなり、当時日本橋区通り1丁目にあった川上商店が、アメリカン・トレーディングカンパニーから、アメリカの標準判24インチ×36インチ(2尺×3尺)の縦横それぞれ1インチ増した、25インチ×37インチ(2尺1寸×3尺1寸):636mm×939mm判を取り寄せてその半裁判を新聞用紙に当てることに'た。プラス'インチとしたのは、当時の“せんか紙”の4倍となって都合がよかったためといわれている。これが、三三判に代わって次の新聞用紙の主流になりました。 この新しい用紙のPRのために、新しい名称をつくる必要がでてきました。当時その紙のアメリカの商標がダリアだったことや、新聞の「聞」の字がキクと読めることから,菊の花の標識を付けて、“菊印”の名称で売り出したといわれています。
 これも、後に新聞以外の印刷にも使用されるようになり、いつしか菊判で通用するようになったといわれています。
         日本印刷新聞社発行 野村忠義著「上手に付き合う印刷'紙」より'BR>

Qいろんな商標を右側にRがついていたり、Rがないものもありますが、このマークがついていないと登録商標として見とめられないものなのでしょうか。
ARは、その商標が登録商標である旨の表示を行うとする際に略称として使われています。商標の登録表示の仕方を定めた商標法施行規則第5条には、「登録商標第○○○○号」という表示が望ましいとされていますが、デザイン的なことを考慮してRという表示を使用しています。
また、商標法第73条にも「付するよう努めなければならない」とし、登録商標である旨の表示を努力目標としていますが、商標権の効力とは関係ありません。
いいかえれば、日本では慣用的に用いられているものあり、あくまでも商標として登録されているということを公に表しているだけで、このRがないからといって商標権がないということではないということです。
重要なのは商標登録されているか否かが問題であり、商標登録されていればRの表示にかかわりなく、他人が勝手に使用してはいけないことになります。


Q凧に使う素材について、水等に強い・軽い・骨組みに接着剤で接着しやすい・印刷適正がある用紙にはどういうものがあるか。
凧のデザインについて、鳥や蝶の凧をつくる場合、その参考に図鑑や写真の本から一部を加工して使用する際の版権・著作権・はどうなのでしょうか。
また勝手に使用できないとすればどんな手続きが必要でしょうか。
A用紙については、耐水性の用紙が考えられます。そうなると合成紙しかないように思われます。しかし、たとえばユポは通常の上質紙やコート紙よりも印刷適正がよくないので注意が必要です。
図鑑や写真の本から一部を加工して使用する際の版権・著作権についてですが、基本的には、その鳥や蝶の載っている出版物の発行者の許可を得ることがいいと思います。その他、手続きが必要ならば、その発行者からそれぞれのカメラマンやデザイナー等の関係者を紹介してもらって許可を得ることでしょう。
あと個別の詳細については、弁護士に相談してアドバイスをもらうのがいいでしょう。


Q印刷工場ではなく、印刷物が製品としてできあがった後、倉庫に保管する際の倉庫の空調管理についてなにか規定はありますか。
A倉庫について規定はありません。
基本的に印刷工場の空調は温度23度〜25度、湿度60%前後±5%といわれています。保管倉庫もこれに準じた考え方でいいと思いますが、温度に関しては印刷工場ほどシビアに考える必要はないでしょう。但し、極端に温度差(高温低温)の激しいところはいけません。
以上のことは、どういう印刷物を保管するかによってシビアにするべきか、その必要がないか違ってきます。例えば、パンフレット・カタログ等でしたらそんなにシビアな条件は必要ないでしょう。
しかし、例えば連続帳票の場合だと湿度の関係で用紙が歪むとプリント時にジャムってしまうとこがありますので印刷工場の空調と同様に考えた方がいいでしょう。


Q名刺の55×91ミリという寸法はどうやって決まったのですか。
Aいつ誰がどういうことを根拠にきめたかというのは解りませんが、メートル法以前の名刺の寸法は1寸8分×3寸と伝統的に決まっていたようです。メートル法が導入されてからメートル法に換算された寸法が55×91ミリとなり現在に至っています。


Qタブロイド判とはどういうものでしょうか。
Aスタンダード判、あるいはブランケット判とよばれる普通サイズの新聞の約半分の判型、およびその型の新聞。語義としては「要約し、圧縮した」という意味があり、19世紀にアメリカで大衆向けの小型廉価の新聞が出され、これがタブロイド新聞と呼ばれるようになりました。



2000/07/11 00:00:00


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