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印刷・製版ワークフローからみるAMPACの利用

第27回JAGATトピック技術セミナー 特別講演予稿 その2)

大日本スクリーン製造株式会社 ソフトウェア事業本部
ソフトウェアセンター          宮崎 龍一 氏

1.はじめに

 印刷製版のワークフロー(自動化)面からAMPACを利用した場合のシステム構成、およびその実績情報が業務効率・改善に利用できることを述べます。

2.AMPACでワークフローを実現

 AMPACは知識データベースとして印刷・製版工程のパラメータを持っています。
 図1はこのパラメータをAMPACへ情報として入力する系と、AMPACからパラメータを指示情報として引出す制作系に分けて示しています。

 この入力系と指示系を管理する機構があれば、ワークフローを構成しやすくなるでしょう。

図2はワークフローを実現するためのシステム構成要素の一例を示します

この3つの要素がAMPACを共通I/Fとして接続すれば、ワークフローが実現できます。
図2 ワークフローのシステム構成例

3.自動化の流れ

 制作機器の自動化は既に進行しています。
 また管理・指示系においてもWebを使用して
が進行しています。デザインなどのクリエイティブな工程の自動化は難しいとは思いますが、トータルなワークフロー(全自動化)の実現への土台は整ってきています。

4.ワークフローの実績を利用

 ワークフローはネットワーク、データベースでデジタルインフラを整備することが前提です。従って業務効率向上という面だけで捕らえると、設備投資と天秤にかけた選択となります。しかし、業務効率向上の結果生み出された余剰力は仕事の創造へ向けられるメリットがあります。
 APMACの作業実績を利用した業務効率向上の一例をあげます。  またデジタルインフを整備したことで、Webを利用した進捗・コンテンツの公開、デジタル発注、DBP(Data Base Publishing)など価格競争以外でクライアントサービスを通した仕事の創造ができます。

5.スクリーンの取組みの紹介

 当社でもネットワーク、データベース、WebをITの3要素としてワークフローに取り組んでいます。
 その枠組みを図3で示します。
 業務効率向上は機器の自動化を進めています。
を実現しています。
 また管理系では、JobDirectorによる作業管理、進捗管理、工程計画を行っており、各機器への素材提供や再利用はJobDirectorとも連動した素材管理システムを提供しています。

6.最後に

 印刷製版会社オリジナルのワークフローを構築されている会社はあります。しかし、外部発注で構築費はかなり高くなったり、自社で構築したが、限界を感じられているケースが見受けられます。一方で、各ベンダーがAMPACという共通I/Fを使用すれば、構築費は安くなり、印刷製版会社は、自社に適した制作機器を選択して、ワークフローを構築し、サービス提供や仕事の創造が可能となります。

(図3の詳細表示には,Acrobat Readerが必要です。)

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特別講演予稿 その1[印刷工程のためのデータベース構造モデル]

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2000/11/28 00:00:00


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