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AMPACの印刷機械への利用

第27回JAGATトピック技術セミナー 特別講演予稿 その3)

三菱重工業株式会社 技術本部
広島研究所     磯野 仁 氏

1.はじめに

 従来は、顧客から依頼された印刷業務を一つの印刷会社でこなす事が大半でしたが、近年の社会情勢の変化、デジタル技術や通信(ネットワーク)技術の急激な進展を受けて、ネットワークを利用して個々の印刷会社の強みと弱みを補完し合う、協働での印刷物生産システムへの指向が始まっています。(例:全印工連 2005年計画での共創ネットワーク構想)

 このようなネットワーク生産への印刷機械の主な対応との関連でデータベースAMPACの活用場面を記述します。

2.印刷会社でのネットワーク化の現状

 (社)日本印刷産業機械工業会が昨年度に実施したアンケート調査結果(図1)によれば、一つの会社内でのデータの共有(イントラネット)は、ほぼ普及し、複数の会社間でのデータの共有(エクストラネット)が急激に進展しつつあります。
 このことから、印刷機械も含めた広範囲での情報交換のための言語記述法の標準化(例えば、AMPAC)などのネットワーク基盤整備が早急に必要なことが分かります。

図1 印刷会社でのネットワーク化の現状

3.ネットワーク生産への印刷機械の対応

 オフセット印刷機をネットワークでの端末出力機と位置付けると次のものが要求機能として挙げられます。

(1)高精度なカラーマネージメントが可能なための印刷再現の優れたRepeatability
(2)上記を容易に達成するための各部の自動プリセットなどのオペレータ支援
   (色調関連エキスパート ソフトや色調管理装置など)
(3)上記(1)のための機械の予防メンテナンス
(4)基本的にネットワークからのデジタルデータのみで印刷できる版再生型の機上製版

 以上の4項目のうち(2)〜(4)に関してはネットワークからの情報を活用することにより、更なる高機能化が期待できます。
 例えば、機械の予防メンテナンスの場合には、図2のように機械メーカとのネットワークを通して、印刷機の状態をリモートモニターし、その結果を基に、更に能率的で効果的な予防的メンテナンスを行うことが考えられます。

 このようにネットワーク利用の場合には、多量の情報を種々の相手と授受する必要があり、その授受情報を一定の約束でデータ構成(データベース化)し、どこで作られたものでも、種々のネットワーク設備を使って自由に情報交換できることが必須です。

図2 印刷機械メーカとのネットワーク

4.データベースAMPACへの期待

 日本発信の標準化の仕組みであるデータベースAMPACは、印刷分野での従来の情報通信や画像情報交換規定の枠組みとは異なり、情報のセットを自由に組替えられる柔軟性を持っており前述のようなネットワークでの標準言語として将来的に広い適用が期待できると考えております。

 このためには、印刷に関与する多方面の協力により根幹となるデータベース(辞書)の充実と実際の適用例の蓄積を進めるべきと考えています。

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2000/12/05 00:00:00


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