本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

生まれ変わるグラフィックアーツ・ビジネス

従来は産業分類上では紙に加工を施す製造業であると規定されていた印刷産業は、2001年に通商産業省が新たに経済産業省に組みかえられるのを契機に、コンテンツという情報を扱う産業に再定義される。

これは急速に進行するIT化、EC化という中で、日本の産業構造が変革を余儀なくされていることの表れであるが、実際の印刷産業の多くの方は、まだ意識がそのように切り替わっているわけではない。印刷産業が他産業との間で競争力を失わないためには、この21世紀の入り口で自己変革することが急務といえる。

JAGATでは十数年前から印刷産業のあり方に関する調査を積み重ね、印刷物制作のデジタルをきっかけとして印刷産業がメタモルフォーゼして、さらに発展できる産業であることを提言し、またそれを実現するためのプログラムを数々用意し、年間を通してさまざまな形で業界にアピールしてきた。

毎年2月に行っているPAGEにおいても、グラフィックアーツに関連した多くの分野の専門機関に併催イベントを行うように呼びかけ、また機器出展だけではなく、特別の能力をもって他社とタイアップして事業を行う業者のためのパートナーシップコーナーを設けてきた。

近年になって、印刷とその周辺の業界が、デジタルという技術面だけではなしに、業務面においてもいっそうボーダーレスになり、印刷業との間での交流が増えている。このことはPAGEイベントにおいても印刷周辺分野からの関心の高まりとして表れ、前回のPAGE2000では併催イベントに十数団体が参画し、そこで行われたセミナーやミーティングの参加者は延べ1500人にのぼった。またパートナーシップコーナーはホールの半分を使うほどになった。

来る2000年2月のPAGE2001では、さらにこの方向性を明確にして準備をした結果、関連の専門団体によるジョイントイベントも、パートナーシップコーナーも、一段と充実したものとなる。こういった周辺関連分野との結びつきが深くなることは、今後PAGEイベントそのものの方向付けにも大きな影響を及ぼす。つまり印刷産業がコンテンツの加工や配信の能力を高めるためのイベントにPAGEはなっていこうとしているのである。

PAGE2001 ジョイントイベント

PAGEが対象とする範囲は狭い意味の印刷ではなく,コンテンツから配信までをカバーし、ITでダイナミックに組みなおされつつあるグラフィックアーツを包括的に捉えていて、この分野には多くの専門機関が活動しておられる。その中からグラフィックアーツビジネスのコアにかかわるところがPAGEとジョイントしてイベントを計画している。

PAGE2001では、例えばタイプフェースや文字コードなど文字関係、写真・デジタルカメラやカラーマネジメントなどグラフィック関係、XMLの文字処理・データ処理など電子出版関係、WWW(インターネットの)の規格開発のW3C、コンテンツ関係団体などで、日本の代表的な機関が参画する。

このほか合計で印刷およびコンテンツ関連の20ほどの専門団体が、PAGEの展示が行われる文化会館でジョイントイベントを予定している。PAGEの展示会やコンファレンス・セミナーと、これらイベントに参加された方々同志が、従来の業界の枠組みを越えて相互に交流をしてもらうことがPAGEの狙いである。
新たな技術への取組みを共通の課題としながら、それによる新たなビジネスの展望などの議論が生まれ、業界を超えたパートナーシップやコラボレーションが形成されていくことを期待しています。

ITソリューション パートナーコーナー

PAGEはDTPおよびエレクトロニックプリプレスを推進する総合展として,印刷および関連産業に大きなインパクトを与えてきた。そして実際にDTPによる工程統合は起こり、従来の印刷物制作に関わる業態が成り立たなくなり、印刷関連産業は新たな付加価値を求めて模索をするようになった。

このような変化の起こる場所こそ中小企業の事業領域であり、大企業がまだ身動きできない時期にも業務を立ち上げた例は、ワープロ入力会社の時代から,近年では出力センターなどあった。しかしいずれも10年もたないビジネスモデルであり、中小企業は非常に機敏に動かなければビジネス機会をつかめないことを表している。

とりわけIT化によって、今日では時代変化の速度に追従することが重要になっている。そのために自社で何もかも対応しようと思っても時代の速度に追いつかず、すでにその分野のノウハウを持っているところとタイアップして、外部能力の活用とかリスク分散をしなければならなくなった。

PAGE2001では多様なメディア加工技術や情報処理技術を応用したデジタルビジネスを創出されている方々が出展をして、印刷関連産業に対してサービス提供できるように、PAGE2000のパートナーシップコーナーを拡大し、ITソリューション パートナーコーナーを用意した。
印刷関連産業が、提携やJVによってIT能力を発揮して,一段とスケールの大きな戦略的な取り組みがされることを狙っています。どうかPAGE2001を貴社の発展のために有効にご利用下さい。

PAGE2001概要

2000/12/18 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会