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中国の印刷産業の発展とアジア印刷企業との協力(その1)

第5回マニラFAGAT
情報交流会講演レポート

2001年3月7日

理事長 武 文祥
中国印刷技術協会(PTAC)


●中国印刷産業の現状

現在、82,189の印刷工場があり、その他に69,766が複写、写真印刷、謄写版などの工場である。トータルで300万人以上の従業員がいる。印刷工場の取り扱い分類では8,152の出版・印刷(2,843の組版、刷版、製本を含む)、20,409のパッケージ印刷、そして53,628のその他と雑多である。所有形態では、7,880企業が国営、30,219の共同所有、そして2,295の外国資本(1,055の海外ジョイントベンチャー、267の中国-海外の共同組合、473の海外ベンチャー、そして500のその他)、4,498の有限会社、2547の合弁会社,9,833が個人企業、23,165が家族経営、1,752がその他。これらの企業で、14万タイトルの本を作り、8,000点の雑誌、2,000種類の新聞の印刷・製本を毎年行っている。

1983年から1999年の間に印刷会社のコンピュータ化は急速に進んだ。97年の1,185社の出版印刷でみると1880億の文字が使われ、その中の1530億文字がレーザーによるタイプセッティングで、全体の81%を占めている。だがデジタルプルーフやCTPはほとんどなく、CTPは極一部の新聞印刷に利用されたいるに過ぎない。99年の出版印刷の国内生産は6,157万リーム(1rams=500枚)で、その中に5,029万リームのオフセット印刷の本が含まれ、全体の82%を占める。
パッケージ印刷、有価証券印刷、宣伝広告印刷、BFなども伸びている。
開発投資にはかなりアンバランスがあり、大手国営や個人の大手に偏った発展が中国の現状である。

高いレベルの印刷を導入するには

a.市場の開発
b.印刷のためのデジタル化とネットワークの基本環境を作る。
c.質の高い人材育成
d.高度な思考、方針を決定できる人を印刷企業内に育てる

中国の印刷の周辺産業
年に1万トンの印刷機、装置、備品を作る企業が約400ほどある。99年69社の大手で年間3億6000万ドルを売上げ、4万人が従事している。 また約9,000の製紙工場が印刷とダンボールを合わせて2900万トンを生産。その中の800万トンが印刷用である。 99年現在、約400のインキ工場があり25,000人が働いている。15万トンを出荷している。世界の5%を占め、第4位である。PS版については、トータル6000万平方メートル越える能力をもっているが、実際の生産は3000万平方メートルある。 印刷用感光フィルムとして4つの主な工場がある。99年で750万平方メートル生産、その中にレーザースキャナ用感光フィルム110万平方メートル含まれている。

以上のようにミディアムグレードの紙や印刷設備、資材などを自給できるようになったが、量の多いプリプレス、印刷製本機器や品質の高い設備、上級あるいは特別な印刷用紙、高級フィルム、インキ、刷版などは海外から輸入せざるをえない。 99年で前年よりも6億7500万ドル、25.9%も増加している。この中には枚葉4色機が2億1000万ドル、オフセット輪転機が1億3200万ドルが含まれている。

その 2

2001/03/07 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会