●Koji: 今回のPageでは出展規模についても過去最大だったようで,これを見逃したとはちょっと痛いところでしたね。
そうそう,Adobeのブースはとんでもなく盛況だったようで,私は最終日にいってみたのですが,最終日とお約束のアンケートのお土産プレゼントもあって,InDesign2.0なんかは人だかりで見えやしないの。(^^; 結局良く見ることができず,実際にいじることなど夢のまた夢状態でした,ははは,あー情けない。
●Aya: ver.1.0登場のときから大注目を浴びたInDesignですが,私の周囲のエンドユーザー仲間の関心事No.1は,「あの価格で,きちんとした日本語組版ができるらしいゾ」ということでした。
以前在籍していた編集プロダクションで,書籍組版をDTP化する時代にぶつかった問題はたくさんありました。使えない漢字があったのももちろん問題なんですが,これは一方では著者・出版社側の執筆環境もDTPと同じ文字環境のパソコンに移行しつつあったため,内容や価格によっては妥協に理解を得やすくなったという事情もあったのです(文化的には後退でしょうけど)。
むしろそれよりも,QuarkXPressで組んだ縦組版体裁についてのクレームが多いのに参りました。クライアントの出版社には「本文ベタ組」に異様な執着をもつ人が多く,それに応えるだけでもひと苦労した記憶があります。だからこそ,それからひと時代を経て,燦然と登場したInDesign 1.0のあの原稿用紙風のグリッドには,後光が差して見えたものです。
●Koji: なんでも,InDesignはPageMakerの積年の雪辱を晴らし,業界デファクトのあのアプリをなんとしても打倒するべく産み落とされた産物という噂で,登場当時は持ちきりでしたもんね。PageMaker5,6あたりから,次世代組版ソフトはどうあるべきなのか,といろいろなところに,Adobeはヒアリングを重ねていたらしいし,また人材も確保しようとしていた,という動きもあったようですしねー。 きちんとした日本語組版ときちんとした漢字表示はこれもまた,長年の終わりなきテーマのひとつですね。
書籍組版では,私は昔,基本的に非営利で行われていた「日本語の文字と組版を考える 会」に参加したこともあったんだけど,ここでも侃侃諤諤な議論を皆さん戦わせていた印象が強く残っています。Ayaさんのいう,内容や価格によっては妥協に理解を得やすくなったという事情もあったというのは,逆に私には新鮮に聞こえてしまうくらい難しいすごいものでした(それとも,もしかして私があまりに無知なだけ?)。
そこでは,こうあるべきだといったこだわりとQuarkXPressで実現できる組版デザインとのせめぎあいの中,フォントと漢字コードと登録漢字数が入り乱れるという,DTPの世界に入って間もない人が出くわしてしまった日には,もうトラウマになってしまうんじゃなかろーか,というほどの恐ろしい話だったのです(ちょっと大袈裟かしら)。
そんな中で登場したInDesignの原稿用紙風グリッドには,私も何かとんでもない革新をもたらすのではないかという期待と興奮を感じたものでした。
●Aya: たしかにそうですね。ところがver. 1.0の蓋を開けてみてがっかり,二百数十ページのごく普通の書籍を扱うのにストレスを感じるような動作速度じゃありませんか。一体この素晴らしい組版機能でどんなドキュメントを作れというのか,Illusratorの代わりにぺらものでも作ればいいのかと,頭を抱えてしまいました。
そんなわけで今回のver.2.0にも,いろいろ素晴らしい機能が装備されているのはじゅうじゅう承知しているのですが,それでも私の関心事No.1は「ホントに高速になったのかな?」の一言なのです。(つづく)
●Koji: 大手印刷会社を経て,外資系プリンタメーカーに勤務。カラーパブリッシング分野での業務用プリンターに絡んだ,種種雑多なシステム構築支援,フロー構築案件の具現化を任務とする。学生のころよりCGには大いなる興味があるが,忙しさにかまけ最近ではもっぱら鑑賞する側でとどまっている。声優・ナレーターにも興味があるが,趣味としてとある声優さんの自宅で朗読の勉強中という美声(?)の持ち主でもある。密かにラジオドラマを執筆したいと思う今日このごろである。Ayaさんと共通して海外旅行も趣味の一つ(最近とんと行っていないが)。DTPエキスパート。湘南育ち。天秤座。A型。独身。
2002/03/15 00:00:00