〜印刷界OUTLOOK2002（1）〜
●印刷会社数は10年で3000社以上減少
日本経済の1990年代は，「失われた10年」であるといわれます。バブル経済崩壊以降の長い景気低迷，グローバリゼーション進展による国際競争の激化，低コストを求めての海外生産への移転により，国内の製造業は減少傾向にあります。
経済産業省の「平成12年工業統計表 産業編」（概要版）によれば，2000年の全製造業の事業数は前回98年の調査から8.4％減少して，58万9713社となりました。10年前の90年と比較すると19.1％減で，13万9140社も減少しています。毎年1万3000社以上が減り続けたことになります。
印刷業は2000年は3万460社となっており，90年に比較すると9.4％減で3167社の減少となっています。印刷業も厳しい状況にありますが，海外へ仕事が流出することが少ない分だけ，ほかの製造業に比較すると減少幅が少ないようです。全製造業に占める印刷業の割合は，90年の4.6％から5.2％へと増加しています。
●製版会社は10年間で大幅減少
製版業の事業数をみてみると2000年には4218社となり，前回98年と比較して23.2％減で，1274社も減少しました。90年は6559社でしたから，この10年で2341社と大幅な減少（35.7％減）です。印刷業に比較して減少率が高いのは，デジタル技術の進展が印刷業より大きく影響しているからと考えられます。DTP制作が定着した98年から2000年にかけては，減少率が上がっています。
製本業は2000年には2751社で，90年と比較すると323社の減少（10.5％減）となりました。デジタル化そのものの影響は少ないのですが，印刷業の低迷が影響しているものと考えられます。
出版・印刷・同関連産業のうち新聞業は，2000年は1043社と，90年に比較して277社の減少（21.0％減）。出版業は2000年は2406社と，90年に比較して231社増加（10.6％増）して，出版・印刷・同関連産業のなかで唯一，事業所数が伸びました。
印刷業の規模別構成比（99年）をみると，従業員10人未満の企業が全体の77.9％を占め，500人以上の企業は28社であり，印刷業は中小主体となっていることが分かります。
（プリンターズサークル 2002年4月号より）
2002/04/13 00:00:00