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インキは1年間でどのくらい使いますか?

〜印刷界OUTLOOK2002(9)〜

2002年4月1日

●インキ出荷量再び増加

 経済産業省の「平成12年化学工業統計年報」によると,2000年の一般インキ(印刷インキの合計から新聞インキと補助剤を除いたもの)の販売量は,43万6179トンで,前年より3.9%の増加,販売金額では2.3%増の3034億4500万円となり,2年連続の増加となりました。
 最近5年間の推移をみると,一般インキは1996年の40万6684トン,販売金額2857億6000万円から数量で7.3%増,販売金額では6.2%の増加となっています。印刷インキの構成比をみると,平版インキが31.7%,特殊グラビアが27.3%となり,この2つで販売量の過半数を占めます。以下は新聞インキ11.0%,その他インキが10.7%,ゴム凸版インキが5.4%と続きます。10年前の90年と比較すると,平版インキの占める割合が5.2ポイント伸び,特殊グラビアが1.0ポイント減少しています。新聞インキは1.2ポイントの減少,その他インキが5.0ポイント増と大きく割合を増やしています。
 全印工連の「平成13年印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると,2000年の材料費でインキ代の占める割合は,7.5%(前年7.4%)です(回答430社)。業態別では,出版印刷9.5%,商業印刷9.0%,総合印刷6.3%,包装印刷4.4%,証券印刷1.2%,事務用印刷4.5%となりました。

●増加傾向続く「その他のインキ」の需要

 一般インキ品目別出荷量の販売数量上位3品目をみてみると,平版が販売数量15万8115トン(前年比7.0%増),販売金額が1186億500万円(同3.1%増)特殊グラビアが販売数量13万6075トン(前年比4.7%増),販売金額638億4200万円(同1.5%増),その他のインキが販売数量が5万3477トン(前年比10.7%増),販売金額721億5800万円(7.1%増)となりました。90年には4万4147トンと10.8%のシェアを占めていた金属印刷インキが,2000年は前年比16.0%減と,近年需要が減少しています。一方,カード印刷などに使用されるその他のインキは,年々増加しており,2000年にはシェア10%を超えました。
 白黒写真フィルム(特殊フィルム:主に製版で使用される)の販売量は,1億2804.7万m2(前年比3.5%増)となっています。

プリンターズサークル 2002年4月号より)

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2002/05/12 00:00:00


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