●Koji: PDFワークフローに関しては,まぁ,ハードルの高さの違いというのは実際にはっきりとあるでしょうね。Adobe CPSIに従ってPDFに書き出しすにしても,エンジンによってバージョンの違いもあって書き出す時点での文字の再現性(というかもっというと文字化けとか,欠落とかね)についてとか,色の再現性についてもPDFに書き出したとたん,狂ってしまったなど問題もあるようですから。そうなると商用印刷物では大きな問題になってしまう。この辺りはとても奥深い話なのであまり突っ込んで話しはしませんが。。。

マーケットの話ではやはり広範なビジネスシーンでの活用を考えると確かに商業印刷用途となるとちょっと特殊な方向を向いてしまう,ということになるのかもしれませんね。だけど,商業印刷の品質の定義もここ最近変わってきている気もしますけれど(というのか,ある意味いい加減になってしまっているのか,どーなんでしょー)。。。
しかし,とはいってもやはりここまで作り上げてきたPDFワークフローなのだから,着実なところで進化していってほしいと私は思うんですが(じゃないと,いろいろなところでビジネスモデルの矛盾が出てくるじゃないかあ)。。まあ,紙への出力は表現の選択肢の一つになってしまってきたってことでもあるんだろうけれど。
●Aya: 私はべったり紙側の人間なのですが,今後盛り上がる商売はPDF->印刷ソリューションよりは「電子ペーパー」かなという気がします。とにかく複製・流通コストが安い。WWWの盛り上がりを見ても思いますが,紙とインキを流通させるのに比べて,電子空間(HDDとサーバと回線)は夢のように安いですよね。しかもユーザーがモニタやパソコン,回線を喜んで負担してくれているという……。
まあ,HTMLでは体裁上の甘さを見逃さざるを得ず,それもコストダウンに寄与しているのかもしれませんけれど,PDFならもう少し体裁上の要求にシビアに応えられますよね。産業としてがっちり硬直化したDTPが失った,有象無象が集まってくるわけのわからないパワーも,私のように個人で活動している人間にとっては魅力的です。
WWWベンチャーがうたかたの夢のように現れては消えたことを考えると,安いからといって手を出すとひどい目にあいそうな気もしますけれど,その点でもAdobeのeBookソリューションは課金システムについて考慮されていて,「商売にするぞ」という意気込みを感じます。ではそこで印刷会社は何を商売にするのか,となると,まだはっきりわからないですけれど。
コンテンツ産業と言ったって,もともとは印刷会社は,コンテンツを乗せるパッケージ(媒体)で商売していたわけですよ,ねえ? やっぱり情報加工産業ということで,加工したりノウハウを売ったりになるんでしょうか?
高精細,薄型液晶というハード側の条件も整ってきています。先日そうした高精細液晶を電子ブックリーダーのモックアップとして見る機会がありましたが,グラデーションの表現などもなかなかだと見受けました。考えてみれば,印刷だってせいぜい濃度レンジ2.0の中で勝負しているわけで,そのへんの表現力はもう近々,液晶が肉薄してくるのではないかと思います。携帯性だって,大きさ・バッテリー持続時間ともに向上していくでしょう。
それじゃあ紙の牙城は何なのかと考えると,私としてはむしろ,検索性の良さで紙(誤植じゃないですよ)に軍配を揚げたい心境ですね。もちろんキーワード検索とかはかないませんけれど,ページをペラペラとめくって大体の意味を把握したりする,人間の「ナナメ読み機能」とか「あらすじ把握機能」というのはまだまだたいしたものだと思うんです。そうなると,テキ?はXMLでしょうか?(つづく)
*PDFワークフローについては、JAGAT通信教育の「営業のためのCTP講座」が詳しい。(編集部)
●Koji: 大手印刷会社を経て,外資系プリンタメーカーに勤務。カラーパブリッシング分野での業務用プリンターに絡んだ,種種雑多なシステム構築支援,フロー構築案件の具現化を任務とする。学生のころよりCGには大いなる興味があるが,忙しさにかまけ最近ではもっぱら鑑賞する側でとどまっている。声優・ナレーターにも興味があるが,趣味としてとある声優さんの自宅で朗読の勉強中という美声(?)の持ち主でもある。密かにラジオドラマを執筆したいと思う今日このごろである。Ayaさんと共通して海外旅行も趣味の一つ(最近とんと行っていないが)。DTPエキスパート。湘南育ち。天秤座。A型。独身。
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2002/06/05 00:00:00