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新たな展開を見せる折込チラシの世界

最近の折込チラシの新しい傾向のひとつとして、メーカーからの折込出稿増加と価格訴求型からコンテンツ重視型への移行がある。
チラシという媒体の表裏をフルに活用して、消費者キャンペーンあるいは商品のラインナップの紹介をすると共に、関連する情報を豊富に提供する情報テンコ盛りのチラシが増えている。食品メーカーの例では、表面でキャンペーンの告知をしながら、裏面はその商品を使ったレシピを紹介したり、シャンプーのチラシで、表面でフケの原因等を説明しながら新製品を紹介、裏面で頭皮ケアに関する知識を具体的に説明するといったものである。

もうひとつの新しい傾向は、メディアミックスである。たとえば、新聞の全面広告で宣伝をすると同時にチラシで通信販売をして、街頭では試飲サンプルを配布する。
このような場合、チラシの表面のデザインは新聞広告的なものにして相乗効果を狙いながら、裏面では商品ラインアップの紹介やギフト券のキャンペーンをするといった作り方になる。

折込チラシとメールのメディアミックスも良い効果を生んでいる。折込チラシでクリアランスセールの告知をする時、紙面にメールアドレスを入れておき、携帯電話ですぐに応募してもらえばその場でクジがひけるという案内をする。これは、クジに当った人が、賞品の引き換え、あるいはクーポンを利用するために来店するという集客アップとともに、応募があった顧客データをもとに、後から情報発信をして来店を促すための仕掛けである。
顧客データは、たとえば雨が降って来店が少ない場合、携帯電話を使って、メールDM、メールクーポン、メールマガジン、メールアンケートなどのメニューから、そのときに有効だと思う内容を選んで顧客に向けて送信する時に使われる。

チラシはある特定エリアの潜在顧客発掘の役割を果たしてきたが、今後は,新聞販売店の機能を生かしたワン・ツー・ワンをベースとしたエリアマーケティング展開が考えられる。 たとえば、地場の異業種との提携で新聞販売店が持つデリバリ機能を横展開することである。DM等の宅配を単独のビジネスとしている例もあるが、ポイントはデリバリする人たちをしっかり押さえておくことである。それは、最低の収入確保を保証することだが、実際にはなかなか難しい。

折込チラシに関わる世界は、電子媒体を含むメディアミックスやデリバリ機能の新たな活用によって変化しつつある。

(出典:JAGAT 印刷マーケティング研究会 会報より)

2002/07/18 00:00:00


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