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標準化が進むユニバーサルデザインシャンプー,リンスを識別しやすいように,シャンプーの容器にだけぎざぎざ状の触覚記号をつけたり,調味料の容器のふたのデザインを変化させたり,缶ビールの空け口に点字をつけたりと,パッケージのユニバーサルデザイン(年齢や能力に関わりなく全ての生活者に対して適合する製品等のデザイン)化はかなり進んできているといえる。しかしながら,消費者からはまだまだ要望が多く,とくに高齢者や障害者から,内容の識別性と開封の不便さについての不満の声が多い。 超高齢化社会に突入しつつあるわが国では,3人に1人が65歳となり,女性の平均寿命が90歳を超えるだろうといわれている。加齢とともに心身機能が低下し,日常生活において生活用品の使用が次第に困難となることが避けられない。また,障害者は,健常者を想定して設計された生活用品を使用する際にさまざまな「バリア」を感じている。 パッケージの識別に関して見てみると,目の筋力や弾力が低下し,色合いの判別能力が衰えてきた高齢者や,視覚障害者にとっては,賞味期限や注意事項の文字の大きさ,書体,色,コントラストなどの表示のわかりやすさ,形が類似したパッケージの内容物の識別の困難さなどについて要望が寄せられている。 開封の不便さについては,「高齢者生活用品不便さ調査」(1998年)で,高齢者総計1,173人に「開封に不便を感じることがあるか」の質問をすると,全体の34.3%が不便を感じているという回答を出した。その理由には,開けるのに力がいる,開けるときに失敗する,開封口の表示がわからないなどがあげられている。高齢者や障害者でなくとも,同様のことを感じることが多いのではないだろうか。 製造メーカーは,これら,高齢者・障害者のニーズへの配慮を行わなければならないが,各社の製品設計において,配慮方法が異なってくると,逆に混乱をもたらすことにもなりかねない。そこで,配慮方法の標準化が求められてくる。 ユニバーサルデザイン商品に関わるJIS2000年度,パッケージのユニバーサルデザインに関する日本工業規格(JIS)が制定された。「JIS S 0021 高齢者・障害者配慮設計指針―包装・容器(2000年10月20日制定)」である。適用範囲は,「握力の低下または視力の衰えが見られる高齢者,視覚障害者を含むすべての人に対し,使用者における識別性,使用性の向上を目的として配慮する設計指針について規定」している。
規定内容は以下の5点である。
2.内容物の識別をするための配慮
3.同一または類似形状の包装・容器の内容物識別のための配慮
4.開けやすくするための配慮
5.握力が低下した使用者においても使いやすい容器の形状
また,2001年度には「JIS S 0022 高齢者・障害者配慮設計指針―包装・容器―開封性試験方法(平成13年11月20日制定)」が制定されている。 国によるガイドラインができることによって,ユニバーサルデザインの認知が広がり,高齢化が進む日本でだれもが暮らしやすい社会が実現することが望まれる。そのためには,常に,生活者の声を踏まえていくことが必要だろう。
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