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デジタル化の第ニフェーズに向けて

JAGATは,去る5月29日に「第35回通常総会」を開催し,第一号議案「平成13年度事業報告並びに決算報告」,第二号議案「平成14年度事業計画案並びに収支予算」について審議,了承された。第三号議案である役員改選において,株式会社大熊整美堂大熊暁三氏に代わって,株式会社大鹿印刷所大鹿洪司氏が会長に選任された。また,株式会社モリサワ森澤嘉昭氏が副会長を退任し,株式会社博文堂大橋茂氏,凸版印刷株式会社島袋徹氏が副会長に選任された。

新任の常務理事には,株式会社竹尾竹尾稠氏,富士ゼロックス株式会社玉屋喜康氏,大日本スクリーン製造株式会社森野富次氏,ハイデルベルグ・ジャパン株式会社山本幸平氏,当協会専任小笠原治が就任。新任の理事として,大日本インキ化学工業株式会社小江紘司氏,毎夕新聞印刷株式会社川島毅氏,日立インターメディックス株式会社佐山寧氏,e-グラフィックス株式会社鈴木裕氏,株式会社ニシカワ西川誠一氏,宝印刷株式会社野村隆氏,大東印刷工芸株式会社花崎博己氏,株式会社ホリゾン東テクノ堀英二郎氏,広研印刷株式会社前川槻二氏,株式会社モリサワ森澤季公生氏,三菱重工業株式会社渡邉洋氏が就任した。

総会当日には,JAGATの中期的な重点事業として,「『印刷新世紀宣言』具現化推進プロジェクト」(下記参照)が発表された。

印刷業界は,CTPの普及で一つの節目を迎えるプリプレスのフルデジタル化を達成した。しかし,それは印刷産業のデジタル化の第一フェーズに過ぎない。印刷業界がこれから開拓すべき事業領域とは,印刷文化を継承しつつ,より広く,深く広がるデジタルコミュニケーションの進化に貢献していく分野で,デジタル化の第二フェーズである。

今後の数十年を見通した時,紙媒体も従来の印刷ビジネスも,ともに今後の印刷産業を支える重要な要素であり続ける。しかし,一方において新たな事業領域を開拓していかなければ縮小均衡は免れないと思われる。
幸い,印刷業界は,今後も継承されるべき印刷文化の一翼を担うプロとしての力をもっている。また,この土台の上に,これからの社会が求めるコミュニケーションの世界に貢献できる力も備えてきた。

印刷産業は,今こそ,明るく前向きに,新しい時代の印刷の世界を創り発展させると宣言し,果敢にチャレンジすべきである。チャレンジすべきテーマは「印刷文化の継承」「クロスメディアパブリッシング」「デジタルプリンティング」そして「印刷のe-ビジネス」である。
JAGATは,1988年に第1回pageイベントを開催して以来,さまざまな事業活動を通して印刷業界の第一フェーズのデジタル化に貢献してきた。そして,印刷業界がこれから踏み出すデジタル化の第二フェーズに向けて,既に準備に入り立ち上げたのが「『印刷新世紀宣言』具現化推進プロジェクト」である。

■出典:JAGAT info 2002年6月号

2002/08/11 00:00:00


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