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言ってはいけない一言,言うべき一言

第41回テーマ(2002年8月号)

よくある話。マスコミが'理想の上司は…'を発表した日に同行営業で同乗した車の中でのこと。
『仰木監督って素晴らしいですよね。ああいう人って良いですよね。それから…』『俺だって,イチローや松井,松坂に,佐々木が部下にいたらいいと思うよ…』
お互いないものねだり…よくある話。この後は,しばし無言…二度とこのことが話題に上ることはない。

(匿名希望)


気が利いてるつもりで一言余計な営業担当がいて,内心ムッとすることがある。いちいち注意するのも大人気ないかと思って,聞き流すようにしていたが,同行営業で得意先にそれをやられて,冷や汗をかいた。
どうしてそういう一言がいけないかを,噛んで含めるように言い聞かせたが,キョトンとしている。「逆の立場で自分が言われたらどんな気がするかを考えてみろ」と諭したのだが,今までの態度を考えても方々でやっていそうだ。
受付は会社の顔とか,電話応対で第一印象は決まるというが,営業担当の場合,わざわざ出向いて見せた会社の顔になる。
得意先には「一番いい顔」を見せてほしいのだが,こういうのは教育でどうにかなるものでもないだろう。社風と思われるのだけは避けたいが,良い知恵はないだろうか。
(東京・匿名希望)


私は言いたくもないし,言っているつもりもないが,女性社員に対して時々 「セクハラ」発言をしてしまう。「まだ子供つくらないの?」とか「まだ結婚しないの?」は,言ってはマズいのは納得できるが,「最近スマートになってきたんじゃない」というような,おだてているつもりでも「今のは問題ですよ」と指摘されてしまう。これでは仕事以外の会話をすることがないというか,女性との会話恐怖症になるかもしれない。
私の周りには,「ワシは,セクハラおやじや!」と居直って,バンバン冗談を飛ばす人もいるが,そのほうがかえって和気藹々(わきあいあい)とした雰囲気になるという変な現象も見られる。
どうも今まで女性社員に何か言って,良い方向で受け止められたことはないような気がする。女性に「言うべき一言」というのがあるのなら,ぜひ教えてもらいたい。
男性社員に対しては,「言ってはいけない一言」は意識したことはない。それぞれ相手の良いところを認めていれば,うかつな発言というのは避けられるだろう。
(大阪・匿名希望)


経営コンサルタントとして,企業診断していて感じることを一言。のっけから「うちの社員はやる気がなくて消極的でダメなんです……」と経営者が切り出す企業は,経営サイドに問題がある場合が多いようです。
能力主義や評価主義の時代とはいえ,社員の有り様は経営の反映であることに変わりません。社員個人に問題があるというのは分かりますが,社員全体がダメというのは経営サイドにリーダーシップがない,育成能力がないことを意味します。
評論するより,自ら率先垂範,育成実行しなければ体質改善は進みません。
(経営研究所長)


最近それぞれデジタル印刷のオンリーワンを目指す2社の経営者の方と懇談する機会があった。そこで非常に印象に残ったのは,お二人が「動く広告塔」として社外で積極的な活動を展開される一方,社内では「元気な企業であること」「お客様に声を出して挨拶ができること」というマナーの注意を徹底されている点である。事実,2社に電話を差し上げると,いつも明るくて感じのいい声が返ってくる。
当社もデジタル化の推進に取り組んでいるが,専門能力があれば良しとしてビジネスのインフラ,マナーについての向上を怠っていたのではと反省している。
(匿名希望 ジュニア)


年功序列から能力主義へ転換する必要が叫ばれる最近ではないが,私には過去に苦い失言を犯した経験がある。人材能力確保のためにわが社で積極的に中途採用をしていたある日の朝礼で,何かのきっかけから,「……やはり長年尽くしてくれた部下がかわいい…」的な発言をしてしまったのだ。
言ってしまってから,「しもうた!?」と思ったが,後の祭。出席されていたコンサルの先生からも,「社長,あれはまずかったですね」と注意された。その後,中途採用の人たちには,酒の席で,「決して君たちをないがしろにしたのではない」と説明して了解してもらった。
言ってはいけない一言として肝に銘じているが,一方人間ミスはつきものなので,失敗を怖れずその時はフォローをかならずしようとも考えている。
(匿名希望)


言われたほうは覚えていても,言ったほうは覚えていないものかもしれない。
いずれにしても大切なのは信頼関係で,言葉の行き違いがあってもすぐに修復できるような,風通しのいい職場環境を築きたい。
(匿名希望)

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2002/09/11 00:00:00


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